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弾けし氷柱
「やぁリヴァイ!小さくなっても君には全く違和感ないね!」
でん!という効果音がつきそうなくらい、堂々とそう言い切ったハンジさんは、リヴァイさんの爪楊枝の餌食となった。…痛そう。
「いたたっ…なんだい、その物騒なもの。怪我でもしたらどうするつもり?」
「これくらいで怪我するなら、兵士やめろ」
「えええー。ひどいじゃないかー…」
とてとてと私の手首に寄ってきたハンジさんが、楽しそうに怖がるふりをしている。やっぱりこの人、かわいらしいひとだなあ。
結論からいうと、メモ作戦は大成功だ。私の一週間の文字練習も無駄にはならなかった。
ハンジさんの定位置となっていた場所にメモを置いておけば、ちゃんと見てくれたらしく、授業中にもきょろきょろとリヴァイさんを探していた。
言われたまま書いただけだから、文字の意味は知らないんだけど、授業が終わったら落ち合う手筈だったらしい。もう先生も生徒もいない教室で、ちっちゃなふたりは再会を果たしていた。
そして冒頭のセリフなわけだけど…。
「ハンジさんは、リヴァイさんよりちょっとだけ大きいんですね」
「ちょっとじゃないよ。10センチは高い!」
「ってことは、17センチ」
「んんん?ゼロが一個足りなくない?」
「こいつらにとって俺たちは、そんなもんらしい」
「へー!」
すごいなあ!と嬉しそうにいうハンジさんがかわいくてかわいくて、思わずにやける。
「今さらだけど、君が暦だよね?この手紙は君が書いたの?」
「はい…あ、意味は知らないのでご安心を」
「ううん、大丈夫だよ。それよかうちのリヴァイがお世話さま!大丈夫?こいつめんどくさいでしょ?」
「おい」
「とっても」
「………」
「だよねー!」
きゃっきゃと笑っていれば、リヴァイさんの爪楊枝が私にも向けられた。ふんだ、そんなのいつでもへし折れるんだからな!
どや顔して構えていれば、リヴァイさんはすちゃりと綿棒に取りかえてきた。そして私の手の甲を、そっと撫で…、
「く、くすぐったい!」
「おまえにはこっちのほうが有効だ」
「なんと…!」
「あははは、なにこれリヴァイかわいいじゃないか、気持ちわる!」
「ハンジさん…!」
わー!とハンジさんは私の手の周りで逃げ回る。リヴァイさんは全力で追いかける。
まるで小学生みたいなやりとりを眺めていると、満足したらしいハンジさんが、またとてとてと私に寄ってくる。
「いやー、でも、良かったよ」
「ん?」
「リヴァイ、結構仲良くやってるんだね」
にぱ、と笑顔を向けられて、ちょっと照れてしまった。
同僚さんにそんなこと言われてしまうと、こう、なんだか、むず痒いというか。
でも嬉しくって、ふへ、って、笑いがこぼれちゃって。
リヴァイさんがしれっとしてる分、尚更恥ずかしかった。
「それよりお前には、聞きてぇことがある」
「あ、うん。そうだね。でもリヴァイ、ここだといつヒトが来るかわからないよ。リヴァイは暦の家にお世話になってるんでしょ?」
「あぁ」
「うん。じゃあ暦、悪いんだけど、私もしばらくお邪魔してもいいかな?」
「えっ、あっ、いいですよ、!」
「よし決まり!話はそこからね!」
行こう行こう、と私の人差し指を引っ張るハンジさんも、早々とポーチに潜り込むリヴァイさんも、私が照れてたのなんか全く気にしてないみたいで。
なんだかなあ、もう。照れ損というか、いや、損じゃないんだけど。でも、ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、こうもあっさりしていると、イヤというか。
ハンジさんがいくつかは知らないけど、リヴァイさんと敬語なしで話してるってことは、歳はそんなに離れてないわけで。つまり子供っぽくてかわいらしく見えてても、私より年上なわけで。
こんなことで振り回されちゃう私は、まだまだ子供なんだなぁ。
「うっわ!リヴァイそのポーチ笑えるねっ!」
「…削ぐぞ」
「その綿で?」
「……」
「ひゃーっ!」
……いや。
やっぱりみんないくつになっても、子供かもしれない。
- 11 -
でん!という効果音がつきそうなくらい、堂々とそう言い切ったハンジさんは、リヴァイさんの爪楊枝の餌食となった。…痛そう。
「いたたっ…なんだい、その物騒なもの。怪我でもしたらどうするつもり?」
「これくらいで怪我するなら、兵士やめろ」
「えええー。ひどいじゃないかー…」
とてとてと私の手首に寄ってきたハンジさんが、楽しそうに怖がるふりをしている。やっぱりこの人、かわいらしいひとだなあ。
結論からいうと、メモ作戦は大成功だ。私の一週間の文字練習も無駄にはならなかった。
ハンジさんの定位置となっていた場所にメモを置いておけば、ちゃんと見てくれたらしく、授業中にもきょろきょろとリヴァイさんを探していた。
言われたまま書いただけだから、文字の意味は知らないんだけど、授業が終わったら落ち合う手筈だったらしい。もう先生も生徒もいない教室で、ちっちゃなふたりは再会を果たしていた。
そして冒頭のセリフなわけだけど…。
「ハンジさんは、リヴァイさんよりちょっとだけ大きいんですね」
「ちょっとじゃないよ。10センチは高い!」
「ってことは、17センチ」
「んんん?ゼロが一個足りなくない?」
「こいつらにとって俺たちは、そんなもんらしい」
「へー!」
すごいなあ!と嬉しそうにいうハンジさんがかわいくてかわいくて、思わずにやける。
「今さらだけど、君が暦だよね?この手紙は君が書いたの?」
「はい…あ、意味は知らないのでご安心を」
「ううん、大丈夫だよ。それよかうちのリヴァイがお世話さま!大丈夫?こいつめんどくさいでしょ?」
「おい」
「とっても」
「………」
「だよねー!」
きゃっきゃと笑っていれば、リヴァイさんの爪楊枝が私にも向けられた。ふんだ、そんなのいつでもへし折れるんだからな!
どや顔して構えていれば、リヴァイさんはすちゃりと綿棒に取りかえてきた。そして私の手の甲を、そっと撫で…、
「く、くすぐったい!」
「おまえにはこっちのほうが有効だ」
「なんと…!」
「あははは、なにこれリヴァイかわいいじゃないか、気持ちわる!」
「ハンジさん…!」
わー!とハンジさんは私の手の周りで逃げ回る。リヴァイさんは全力で追いかける。
まるで小学生みたいなやりとりを眺めていると、満足したらしいハンジさんが、またとてとてと私に寄ってくる。
「いやー、でも、良かったよ」
「ん?」
「リヴァイ、結構仲良くやってるんだね」
にぱ、と笑顔を向けられて、ちょっと照れてしまった。
同僚さんにそんなこと言われてしまうと、こう、なんだか、むず痒いというか。
でも嬉しくって、ふへ、って、笑いがこぼれちゃって。
リヴァイさんがしれっとしてる分、尚更恥ずかしかった。
「それよりお前には、聞きてぇことがある」
「あ、うん。そうだね。でもリヴァイ、ここだといつヒトが来るかわからないよ。リヴァイは暦の家にお世話になってるんでしょ?」
「あぁ」
「うん。じゃあ暦、悪いんだけど、私もしばらくお邪魔してもいいかな?」
「えっ、あっ、いいですよ、!」
「よし決まり!話はそこからね!」
行こう行こう、と私の人差し指を引っ張るハンジさんも、早々とポーチに潜り込むリヴァイさんも、私が照れてたのなんか全く気にしてないみたいで。
なんだかなあ、もう。照れ損というか、いや、損じゃないんだけど。でも、ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、こうもあっさりしていると、イヤというか。
ハンジさんがいくつかは知らないけど、リヴァイさんと敬語なしで話してるってことは、歳はそんなに離れてないわけで。つまり子供っぽくてかわいらしく見えてても、私より年上なわけで。
こんなことで振り回されちゃう私は、まだまだ子供なんだなぁ。
「うっわ!リヴァイそのポーチ笑えるねっ!」
「…削ぐぞ」
「その綿で?」
「……」
「ひゃーっ!」
……いや。
やっぱりみんないくつになっても、子供かもしれない。