top about main
見えたドア
もうすぐで次の島に着くと言われた。
「えっ、上陸ですか」
「上陸でーす」
「……陸地と海ならどちらの面積が…」
「こっちの世界は大抵海ばっかだな」
「おぉう………」
私の部屋でサッチさんとエースさんに囲まれながら、隊長会議なるもので知らされた報告を聞く。
どうやらマルコさんに借りた本によると、グランドラインっていう海にいて、そこは春夏秋冬に分かれた島があるんだとかなんとか。よくわかんないけどそんな感じだった気がする。
「どんな島なんですか?」
「んー、俺は行った事ねェから…」
「サッチさんは?」
「俺もないわ。でも、マルコの話じゃぁ治安は悪くないってさ」
え。治安が悪い島もあるんですか、と思わず口の端がひきつる。治安悪いとか、この世界の規模で考えたら相当な気がするんですが。だってこの船だけでも銃刀法違反に反した方がわんさかいるわけで……うわぁ…。
ふるふると小さく頭を振れば、二人が揃って首を傾げた。成る程、一緒にいると仕種まで似てくるんですね。流石。
コンコン、とノックの音がした。どうぞーと軽く返せば、開いたドアの先に素晴らしいお御髪。
「よォ、マルコ」
「親父の話は終わったのか?」
「あぁ」
ちょこまかと二人に挨拶しながら、マルコさんはやっぱり居たのか、みたいな顔をした。という事は二人に用があんのかねーなんて、ぼんやりと眺めていれば、スっと視線が私に向いた。あれ、違ったか。
「さっきまで親父に呼び出されててよい」
「はぁ」
「次行く島、決めたんだと」
はて、次?次ってもうすぐ着く島?それとも更に次?と首を傾げれば、今度着く島の、次。と言われた。じゃあ次の次と認識しておこう。
だけどそれを何で私に言うのか。そこにいる二人に言ってるならまだしも、まだ知識も何もない私に言った所で意味がない。とりあえず、何かあるんですかと聞いてみたら、マルコさんは渋い顔をした。
「ワノ国に、行く」
瞬間、エースさんとサッチさんの表情まで固まる。
え、何かやばいんスかそれ。ワノ国とか最早島じゃなくて国なんですが。心なしか倭の国に変換されるんですが。何ですかそこ。……あの…うん。もしかして。もしかして、だけど……いや、やっぱ違うよ!だって具体的には話さなかったもの!寧ろちょろっと触れただけだし!そんなんで分かったら船長さん、え?エスパー的な?いやまさかそんな。
「この間俺達にした話、親父にもしたかい?」
―――やっぱりか……!
決して殺気、だとか、疑いの目ではなくてただ気になったというだけの目。
きっとマルコさんは、わからない事はとことん調べ尽くして納得いくまでもやもやするタイプなんだろうな。そんな気がする。
じぃっと見てくる青い目に、他の視線が加わる。おいおい頼むよ。私そういう空気苦手なんだ。空気読めない子じゃないから読めちゃうから。読めちゃうからこそ重い空気拒否!
「ワノ国って、もしかしてイゾウさんの?」
「よい」
「………ちょっと会った時に、世間話程度に……でも、イゾウさんとは言ってませんよ?」
よい、って何だよ!その頭にその語尾に加えて更に返事が、よい、とか最早鳴き声じゃないか!ホントに貴方はおっさんなの!?隊長なの!?失礼な事言うけど脳内だからまぁいっかって事でもう一度言うよ?おっさんなんじゃないの!?
妙にツボに入るんだけど、違和感無さすぎて違和感ある。あれ逆か?違和感有りすぎて違和感ない………いやそれ絶対違うよおかしいよ。
そうかい、と言ってほっとしたように息を吐いたマルコさんに、親父は何でもお見通しだななんて言ってサッチさんが笑う。
あ、すごい良い笑顔。
「良かったな、あづさ!なんか手掛かりあっかもしれねェし!」
ニカっと笑ったエースさんに、ちょっと圧倒されながらそうですねと返した。時折エースさんの笑顔が綺麗で輝いてて、眩しくなる。なんなんだろうねこの人。すごいよね。
――さて。そこで一つ疑問。
「マルコさん。ワノ国にって、どのくらいの距離ですか?」
「ん…おれも航海士じゃねェから詳しくは言えねェが……次の島からかなり遠いって訳でもねェよい。でも、二、三週間はかかると思っといた方がいい」
「天気にもよるしな」
ほう、と言葉が漏れる。航海、しかもエンジンもない船は初めてだけど、聞いた感じではかなり近い気がする。けど次の島から二、三週間って事は………今からなら一ヶ月くらいかな。
ふむふむほうほうと、一人で勝手に考えていれば、エースさんがニコニコ顔で見てきていた。……何ですか何なんですか。あまりにも綺麗な笑顔は不安になりますがちくせぅ!
「あづさ、雰囲気が航海士に似合いそーだな」
ぎょっとした顔で見るお御髪お二方。
固まる私。
それはまるで、私が船員のように扱われてるような気がした。
そんな、錯覚。
- 14 -
「えっ、上陸ですか」
「上陸でーす」
「……陸地と海ならどちらの面積が…」
「こっちの世界は大抵海ばっかだな」
「おぉう………」
私の部屋でサッチさんとエースさんに囲まれながら、隊長会議なるもので知らされた報告を聞く。
どうやらマルコさんに借りた本によると、グランドラインっていう海にいて、そこは春夏秋冬に分かれた島があるんだとかなんとか。よくわかんないけどそんな感じだった気がする。
「どんな島なんですか?」
「んー、俺は行った事ねェから…」
「サッチさんは?」
「俺もないわ。でも、マルコの話じゃぁ治安は悪くないってさ」
え。治安が悪い島もあるんですか、と思わず口の端がひきつる。治安悪いとか、この世界の規模で考えたら相当な気がするんですが。だってこの船だけでも銃刀法違反に反した方がわんさかいるわけで……うわぁ…。
ふるふると小さく頭を振れば、二人が揃って首を傾げた。成る程、一緒にいると仕種まで似てくるんですね。流石。
コンコン、とノックの音がした。どうぞーと軽く返せば、開いたドアの先に素晴らしいお御髪。
「よォ、マルコ」
「親父の話は終わったのか?」
「あぁ」
ちょこまかと二人に挨拶しながら、マルコさんはやっぱり居たのか、みたいな顔をした。という事は二人に用があんのかねーなんて、ぼんやりと眺めていれば、スっと視線が私に向いた。あれ、違ったか。
「さっきまで親父に呼び出されててよい」
「はぁ」
「次行く島、決めたんだと」
はて、次?次ってもうすぐ着く島?それとも更に次?と首を傾げれば、今度着く島の、次。と言われた。じゃあ次の次と認識しておこう。
だけどそれを何で私に言うのか。そこにいる二人に言ってるならまだしも、まだ知識も何もない私に言った所で意味がない。とりあえず、何かあるんですかと聞いてみたら、マルコさんは渋い顔をした。
「ワノ国に、行く」
瞬間、エースさんとサッチさんの表情まで固まる。
え、何かやばいんスかそれ。ワノ国とか最早島じゃなくて国なんですが。心なしか倭の国に変換されるんですが。何ですかそこ。……あの…うん。もしかして。もしかして、だけど……いや、やっぱ違うよ!だって具体的には話さなかったもの!寧ろちょろっと触れただけだし!そんなんで分かったら船長さん、え?エスパー的な?いやまさかそんな。
「この間俺達にした話、親父にもしたかい?」
―――やっぱりか……!
決して殺気、だとか、疑いの目ではなくてただ気になったというだけの目。
きっとマルコさんは、わからない事はとことん調べ尽くして納得いくまでもやもやするタイプなんだろうな。そんな気がする。
じぃっと見てくる青い目に、他の視線が加わる。おいおい頼むよ。私そういう空気苦手なんだ。空気読めない子じゃないから読めちゃうから。読めちゃうからこそ重い空気拒否!
「ワノ国って、もしかしてイゾウさんの?」
「よい」
「………ちょっと会った時に、世間話程度に……でも、イゾウさんとは言ってませんよ?」
よい、って何だよ!その頭にその語尾に加えて更に返事が、よい、とか最早鳴き声じゃないか!ホントに貴方はおっさんなの!?隊長なの!?失礼な事言うけど脳内だからまぁいっかって事でもう一度言うよ?おっさんなんじゃないの!?
妙にツボに入るんだけど、違和感無さすぎて違和感ある。あれ逆か?違和感有りすぎて違和感ない………いやそれ絶対違うよおかしいよ。
そうかい、と言ってほっとしたように息を吐いたマルコさんに、親父は何でもお見通しだななんて言ってサッチさんが笑う。
あ、すごい良い笑顔。
「良かったな、あづさ!なんか手掛かりあっかもしれねェし!」
ニカっと笑ったエースさんに、ちょっと圧倒されながらそうですねと返した。時折エースさんの笑顔が綺麗で輝いてて、眩しくなる。なんなんだろうねこの人。すごいよね。
――さて。そこで一つ疑問。
「マルコさん。ワノ国にって、どのくらいの距離ですか?」
「ん…おれも航海士じゃねェから詳しくは言えねェが……次の島からかなり遠いって訳でもねェよい。でも、二、三週間はかかると思っといた方がいい」
「天気にもよるしな」
ほう、と言葉が漏れる。航海、しかもエンジンもない船は初めてだけど、聞いた感じではかなり近い気がする。けど次の島から二、三週間って事は………今からなら一ヶ月くらいかな。
ふむふむほうほうと、一人で勝手に考えていれば、エースさんがニコニコ顔で見てきていた。……何ですか何なんですか。あまりにも綺麗な笑顔は不安になりますがちくせぅ!
「あづさ、雰囲気が航海士に似合いそーだな」
ぎょっとした顔で見るお御髪お二方。
固まる私。
それはまるで、私が船員のように扱われてるような気がした。
そんな、錯覚。