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飛んで回って跳ねろ



現在の状況を確認しようと思う。

エースさんには最終的に引きずられるが如く連れられ、ついた先は……なんていうんだっけ、此処。船の外?…ん?船の外というか船の中なんだけど船の上の室内じゃないとこ?……………いいや、とりあえず外が見れて広いとこ。船の構造なんて知らないし。
まぁ、そこについたわけだ。
そして周りいっぱいに人がいて、何事かと思えばエースさんはやはり宴!と一言。何やら歓迎ぱーちーならぬ歓迎の宴だそうで。それにしても大規模過ぎた。大きな船だとは思ってたけどまさかこれほど人がいるとは………。
にこにこがやがやしてる海の男という名に相応しい人達がいて、テンパっていたらマルコさんが近付いてきて、その場で私の事情説明。異世界がどうのとか滅茶苦茶暴露した上にエースさんが私の世界には海賊が珍しい事まで説明。ちなみにサッチさんがエースさんが説明してる時にやっちまったって顔してた。そうです海賊なんて知りませんでしたぜちくせぅ。
そんなあっさりと話しちゃっていいのかなぁと思ったけど、予想に反して船員の方々は信じてくれたらしい。いや信じてくれたというより、よくわかんねぇや異世界とか難しいないやでも華ができることには変わりねぇなそうだなそうだろじゃあ問題ねぇや!という言葉が飛び交った辺り何とも言えない。わお。
その後自己紹介をするように言われたので、無難に名前とよろしくお願いしますを言っといた。そして言い終えた途端に乾杯され宴スタート。かんぱーい!のあまりの音量のでかさにビビりつつ、よくわからないから隅っこに体育座りである。なう。
さぁ此処でやっと現在に戻ってきたわけだが。見てくれたまえこのぼっち感。主役なんて恐れ多いが、歓迎の宴はこれでいいのか。そこかしこからよろしくなー!は聞こえるが、歓迎らしい歓迎はそれだけだ。私あのでっかいケーキ食べたいチキンハートだから取りに行く勇気がない。めげめげ。

「あれ」

ぴょこん。樽と壁のわずかな隙間に体を半分隠していたからか、そんな感じに人が現れた。男の、子?不思議そうに見られているんだが。どちら様ですか?

「あづさちゃん、だよね?主役がこんな所で何してるの?」 
「いや、その……」
「サッチとかマルコとかは?エースも」

言いよどめば、彼は心配するように見てきた。なんだか世話焼きな感じがするぞ。でもなんか、ここで素直にぼっちしてましたなんて言ったら個性的三人組の皆様にとばっちりがきそうだ。ぼっちなのは私のせいなのに!

「く……」
「く?」
「く、うきを、知ろうと、思いまして……」
「空気?」
「この、船……の?」

我ながら苦しい言い訳だ。しかしだな、空気というか雰囲気を知るという事は大切な事で言ってる事は間違ってない全然大丈夫。行けるぞ私!
たは、と苦し紛れに笑えば、彼は何かを察したのかそれとも単純に納得したのか………うん。前者だな。なんか雰囲気が優しげだもの。にこりと笑って、手を差し出した。

「白ひげ海賊団十二番隊隊長、ハルタです」
「た、隊長さん、ですか」

どっからどう見ても少年じゃないか!案外あれか、戦では人が変わるみたいな感じに強いとかそんな感じ?というか話す人話す人隊長とか凄すぎる。あ、逆?隊長さんだからこそ話しかけてきてくれてるとか?……うむ。なんとも教育の行き届いた海賊団だ。船長さんに拍手!

「空気が知りたいって言うなら、見てるより混じった方がいいよ。こっち」
「え」

ぐん、と腕を引っ張られ立たされる。………前言を全て撤回致します。こんな見かけで大変強いお力ですよ彼。少年とか隊長マジかとか思ってごめんなさいあれ隊長にばっか脳内で失礼なことしてないか私。いつかうっかり出たらどうしよう。
ぐいぐいと手を引かれていって、とりあえず戸惑いつつ付いてくことにした。そん時に人の間を通ったからか、あれ今までどこ行ってたのみたいな空気が所々から。樽の辺りですぜみなさん。
わざわざ人が避けにくい真ん中を突っ切って歩くものだから、やっぱりハルタ、さん?さんがいいよね。ハルタさんは、空気だのどうのなんて言い訳だってわかってたんだろうなぁ。凄いさりげなさ。かっこいいよハルタさん。

「えーっと………あ、イゾウ!」

キョロキョロと周りを見渡したと思えば、二、三人でゆったりと呑むグループに向かって声をかけた。
………私学んだぞ。あれ隊長さんだ。絶対そうだ。だってなんか特徴的だもの。

「あづさちゃん、混ぜてあげててよ。おれはちょっと文句言ってくるから」
「あァ、あいつらね。やっぱり放置してやがったか」

はい、とハルタさんが言ったかと思えば、ぽんと肩を叩かれハルタさんの後ろから前に出された。え?文句って何ですか?と聞く間もなくハルタさんは人混みに紛れていくから、諦めてハルタさんに案内されたグループの人を見た。ハルタさんが障害になってちゃんと見れなかった、というか。なんか特徴的だなで終わらせてしまったから顔を憶えるべく、且つ第一印象が大事だと目を逸らさない事を意識して顔を向けた。

―――え?


「日本、人……?」





なんで、



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