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「 雄英校は1学期を終え、現在 夏休み期間中に入っている。だが、ヒーローを目指す諸君らに安息の日々は訪れない。この林間合宿でさらなる高みへ、プルスウルトラを目指してもらう 」
「「 はい!! 」」
−− 林間合宿当日、
朝早く、重たい荷物と共に学校の校門をくぐると 既にわたしたちを乗せるバスが到着しており、クラスメイトも何人かちらほらいた
相澤先生の話が終わり、各自バスに乗る準備やら何やらをしていたところで、ニヤニヤとした響香ちゃんが近づいてくるのだ。嫌な予感マックス
「 名前〜〜!あの後どうだった!? 爆豪と2人で花火見たの!? 」
「 ちょ…! 響香ちゃん声がでかい……! ていうか大体響香ちゃんと上鳴くんと切島くんが勝手に3人でホイホイ先に行っちゃうから…!! ていうか!! アレ、最初っから響香ちゃんたち3人で行けばよかったじゃん! 」
「 いやあ、ごめんごめん。名前と爆豪いた方がいろいろ面白いから 」
「 いろいろ面白いって…… 人を面白要員として使わないでよまったく… 」
「 で? どうだった? 」
「 どうもこうも… 普通に花火見たよ。せっかく浴衣着てメイクまでしたのに見ずに帰るのもなんか癪だったし 」
「 へえ〜2人で? 」
「 2人でだけど…… ってそのニヤケ顔やめてなんか悪巧みしてる顔だけど 」
「 べっつに〜〜? 」
ニヤニヤとした顔のまま、切島くんと上鳴くんの方へ行く響香ちゃん。人の心なさすぎでしょあの人…
しかもわたし、冷静に考えてあの時バカみたいなこと口走ってしまったし、爆豪くんに会うのなんか恥ずかしいわ。向こうが気にしてくれなければいいけど
「 え!? 何々? A組、補習いるの!? つまり、期末で赤点取った人がいるってこと!? ええ!? 可笑しくない可笑しくない?? A組はB組よりずっと優秀なはずなのにい!? アレレレレレレェ!? 」
直後、ゴツンと凄まじい音が聞こえて、B組の ( 確か物間くん ) 男の子の頭から煙が出た。こわ、B組のこの女の子、こわ…っ
ゾッとして震えていると、遠くで飯田くんがいつものキビキビとした手つきで「 A組のバスはこっちだ! 席順に並びたまえ! 」 とわたしたちに呼びかけた
USJの時とデジャブを感じてしまった…
「 おーい飯田、奇数だけどどうすんだ? くじ引きで1人席決めっか? 」
「 む…! そうだな! ここは公平にくじ引きかじゃんけんで決めようではないか! A組! 全員集合! じゃんけんをするぞ! 」
「「 じゃーんけーん! 」」
「 あ 」
当然、一発で決まるわけもなく、何回もあいこを繰り返しながら5分ほどかけてじゃんけんをしたところで決まった
「 名前ひとりじゃん! 」
「 じゃんけん運なさすぎだねえ! 」
残ったのはわたし、飯田くん、瀬呂くん、切島くんの4人で。最後の最後にじゃんけんをしたところ、見事、わたし以外は息ぴったりのパー。わたしだけがグーを出してしまい ひとり席はわたしに決まった
「 1人で悠々とシート占領するもんね 」
バカにしてくる三奈ちゃん響香ちゃんを尻目に、瀬呂くんと尾白くんの後ろに座り込む。1人でも大丈夫だしわたし! むしろバス酔いやすいから1人の方が周り気にしなくていいし…!
◇
「 よおやく休憩か! 」「 つか何ここ? パーキングじゃなくね? 」「 あれ B組は? 」
瀬呂くんに叩き起こされて眠い目をこすりながらバスの外へ行けば、合宿所とは程遠い山の景色だけが目の前に広がっていた。いや何ここ、どこ?
「 何の目的もなくじゃ意味が薄いからな 」
「 よーう! イレイザー!! 」
「 ご無沙汰してます 」
相澤先生が頭を下げた方を見ると、可愛いお姉さん(?)たちが立っていた。あ、なんだっけこのヒーローたち
「 煌めく眼で〜 ロックオン! 」
「 キュートにキャットにスティンガー! 」
「「 ワイルド〜〜 ワイルド〜〜 プッシーキャッツ!!! 」」
そう! プッシーキャッツだ!
「 今回お世話になるプッシーキャッツの皆さんだ 」
「 連盟事務所を構える4名1チームのヒーロー集団!! 山岳救助などを得意とするベテランチームだよ! キャリアは今年で12年にもなる…ッ 」
「 心は18!!! こころは? 」
「 じゅうはひ!! 」
「 必死かよ 」
必死かよ…… キャリア12年のベテランヒーロー集団 プッシーキャッツ。心は18、と
「 お前ら挨拶しろ 」
「「 よろしくお願いしまーす!! 」」
「 ここら一帯はわたしらの所有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね 」
え、遠……? 休憩?にしてはなんで全員バス降ろされたんだろう? え、それってもしかして…
周りにバレないようにそろりそろりとバスの方へ足を進める。たまったもんじゃない、合宿所に着くまでにわたしが力尽きて死ぬ…!
「 え、じゃあなんでこんな半端なところに? 」「 これってもしかして… 」「 いやいや 」「 あっはは、バス、戻ろうか。な? 早く 」「 そうだな…! そうすっか…!! 」
「 今は午前9時30分。…… 早ければ〜 12時前後かしら? 」
「 ダメだ、おい! 」「 戻ろう! 」「 バスに戻れ!早く!! 」
みんなより一歩先に気がついたわたしはもうバス目の前、絶対この森の中合宿所まで行ってたまるもんか…! 力尽きて死ぬ未来しか想像できない…!
「 12時半までかかったキティはお昼抜きね〜〜!! 」
「 悪いが諸君、合宿はもう、始まっている 」
刹那、地面がボコりと盛り上がり、こちら側に向かってきていた同級生が おそらくプッシーキャッツのどちらかの個性、土流によって森まで飛ばされる、南無。あと少し理解が早かったらわたしみたいに巻き込まれることなくバスで楽しく合宿所まで行け、
「 蝕喰 」
「 ひ、ッ 」
「 あとでな! 」
「 先生の薄情者〜〜ッ!! 」
結局わたしも 相澤先生に首根っこを掴まれて、遠くまで飛ばされてしまった
受け身の体制を上手く取ることができなくて 適当に宙を待っていると瀬呂くんに「 蝕喰! パンツ見えてるぞ!! 」と大声で言われてしまって死ぬしかない
最初のヒーロー基礎学の時みたく、なんとか瀬呂くんの個性によって体を地面に打ち付けなくてすんだ。ありがとう瀬呂くん一言余計だけど
「 白なのはみんなに内緒にしとくな 」
「 是非お願いしますね、…… 」
「 おーい! 私有地につき、個性の使用は自由だよ! 今から3時間、自分の足で施設においでませ〜〜! この、魔獣の森を抜けて! 」
「 魔獣の森!?!? 」「 なんだそのドラクエめいた名称は!? 」「 雄英こういうの多すぎだろ! 」「 文句言ってもしゃあねえよ、行くっきゃねえ!! 」
威勢良く飛び出した峰田くん、トイレを我慢していたらしい。が、そこで魔獣が姿をあらわす
「 静まりなさい獣よ! 下がるのです! 」
あらゆる動物を操る口田くんの個性が通じない。それもそうか、これ、多分あの2人のどっちかの個性で作られたものだし…
「 とりあえず一体一体潰して進むしかなさそうだねえ 」
「 ってオイ呑気か蝕喰 」
「 なんか緑谷くんと飯田くんと爆豪くんと焦凍が全て蹴散らしそうだよ、ほら 」
早速4人が魔獣一体を殺した。
瞬殺、完膚なきまでの勝利…!
「 あの魔獣を瞬殺かよ!? 」「 やったな! 」「 流石だぜばくごー! 」「 まだだ! 」「 おいおい、いったい何匹いるんだよ…ッ 」「 どうする? 逃げる? 」「 冗談! 12時までに施設に行かなきゃ昼飯抜きだぜ? 」「 ならここを突破して最短ルートで施設を目指すしかありませんわ…! 」「 ケロ 」「 よし、いくぞ! A組! 」「「 おーー!! 」」
≪ ◇ ≫