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−− PM 5:20

カァカァとカラスが鳴く声が耳を貫いた。あ、もうダメ、死ぬ…

なーにが3時間、8時間弱だけど… 死ぬゥ

わたしの個性は連携とか向いてないからただひたすら、腐らして壊して、腐らして壊して、て魔獣を1人で攻撃してきたけど使い過ぎて反動が凄い… うぅ、… 右手が腐ってきて痛い……

「 何が3時間ですか!? 」
「 それ、わたしたちならって意味、悪いね 」
「 実力差自慢のためか… やらしーな 」
「 腹減ったーー! 死ぬ!! 」
「 ねこねこねこねこ! でも、正直もっとかかると思ってた! わたしの土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった! いいよー君ら、特にその4人! 躊躇の無さは経験値によるものかしら〜? 3年後が楽しみ! つーばつけとこ! 」

ぺぺぺぺ! と、元気に彼らに唾をつけていくけど正直元気な人見るだけでお腹いっぱいというか…、なんかもう動きたくなさすぎる

「 も、… だめだぁ… 」

我慢できなくてその場にへたり込んでしまう。あ、土冷たいなあ〜〜 このまま寝れるかも

「 ずっと気になってたんですが、その子は誰のお子さんですか? 」
「 ああ、違う。この子はわたしの従兄弟の子供だよ。洸太、挨拶しな。1週間一緒に過ごすんだから 」
「 えっと、僕、雄英高校ヒーロー科の緑谷、よろしくね 」

そう言って握手を求めた緑谷くんの指にかすることなく、こうたくんの足が緑谷くんの金タマをど突いた、ウッ…… 痛い、金タマ死ぬ……

「 緑谷くん!? おのれ…! なぜ緑谷くんの陰嚢を!? 」
「 ヒーローになりたいなんていう連中とつるむ気はねえよ 」
「 つるむ!? 幾つだ君は! 」
「 マセガキ 」
「 お前に似てねえか? 」
「 あぁ!? 似てねェエ! つか テメェ喋ってんじゃねえぞ舐めプ野郎! 」
「 悪い 」

元気か、…… 一番動き回ってた4人、元気か… ダメだ身体のつくりが根本的に違いすぎるよ、無理もう一歩も動けないよ〜

「 茶番はいい、バスから荷物下ろせ。部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食、その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ。さ、早くしろ 」





「 はふ、… 」
「 きもちーねえ! 」
「 温泉あるなんてサイコーだわ 」

あの後、部屋に荷物を移動して食堂で食事をとった。ご飯美味し過ぎてボロボロ涙零しながら食べてたら切島くんと上鳴くんにドン引きされてしまったご飯美味しい……

でもその2人もわたしを挟んでお米の美味しさに感激していたしイーブンでしょうね、

「 明日から特訓かあ、… 」
「 ちょっと怖いねえ、何されるかわからないし身構えることができないから… 」
「 しおりみた? 5時半集合だよ… 早 」
「 ええ〜〜! 起きれないよ! 」
「 わたくしがしっかりとみなさんを起こして差し上げますわ! 」
「 フライパン用意しなくて大丈夫? 」
「 フライパン……! 」
「 ごめんやおもも、冗談! 」

家から持ってきたお気に入りのシャンプーで髪の毛を泡立てる。お茶子ちゃんが「 名前ちゃんの髪いつもいい匂いしよると思ってたけど何そのシャンプー! 高級なやつやん!! 」と目を輝かせていたのでシャンプーを貸したら幸せそうに笑ったのである、可愛い

湯船に髪の毛がつかないように、頭の上でお団子にまとめる。みんなに遅れて湯船に疲れた身体を預ければちょうどいい暖かさが身体に染み渡って気持ちいい

「 名前ちゃん、手痛そうだねえ… 個性の反動なの? 」
「 これ? そうなの。個性使い過ぎちゃうとコントロール上手く出来なくて自分の腕まで腐らせちゃうんだあ。痛みはあるけど、わたし自身には害がないからあんま気にしてないの。暫くすると体内に吸収されて元に戻るしね 」
「 うう… 聞いてるだけでなんか痛い… 」
「 てか名前、なんか個性の威力増した? それとも元々それくらい強かったけど制御してただけ? 」
「 期末テストで相澤先生に完敗したから、ちょっと頑張っただけだよ 」
「 努力家やねえ名前ちゃん 」

うちのクラスの女の子可愛い…… レベル高いとは思ってたけど癒しすぎる可愛いなあ

温泉も気持ちいいし女の子も可愛いし至福のひと時だなあ。眠いなあ、

「 峰田くん!! やめたまえ!! 君のしていることは己も、女性陣も貶める恥ずべき行為だ!! 」
「 壁とは、越えるためにある!!! プルスウルトラ!! 」

飯田くんのクソデカ声のお陰でこっちまで状況がよく通る… またか峰田くん。お陰で眠気が覚めてしまった

が、洸太くんが上で見張りをしていてくれたお陰で峰田くんがこちらを拝むことはなかった。わたしたちがお礼を言えば洸太くんは顔を真っ赤にして逆さまに男子風呂の方へ落ちて行ってしまった

ませてる男の子だなあ… あの頃の年頃は女風呂入っていい年頃だよね ( 多分 )

「 洸太くん大丈夫かなあ? 」
「 あとで様子見に行ってみようね 」
「 三奈ちゃんが隠しもせずさらけ出すから 」
「 ええ〜〜 アタシのせい!? 」





「 っしゃ〜! 男子部屋覗きに行こう〜〜! 」

三奈ちゃんを先頭に、ぞろりぞろりと男子部屋の方へ進んでいく女の子たちの最後尾で、わたしは内心ドキドキしていた

今日こそは謝らないと…! 多分、もう今日謝らないとわたしは一生、彼に謝ることができない

いつまでも喧嘩したままだなんて、わたしが15年間生きてきた証が悲しすぎるし、あなたと喧嘩別れをしたまま わたしは後悔を残して裏切りたくなかった

ちゃんと、ごめんなさいを伝えるの

「 お! 女子! 部屋見にきたのか? 」
「 そ〜〜! 切島!いれて! 」
「 いいぜいいぜ〜〜! みんなでウノかトランプやろうぜ! 」
「 いいねえ〜〜! 」

敷かれた布団の上にズカズカと上り込む。大部屋ってマジだったんだ…!

「 わりい、俺飲み物買ってくるから先にやっててくれ 」
「 轟ィ〜〜! ノリ悪いな! 」
「 あ、ごめんわたしも飲み物買ってくる、みんななんかいる? 」
「 わたしはいらないよー! ごゆっくり! 」
「 ごゆっくり…? 」

何がごゆっくりなのか分からなかったけど、とりあえず足早に去っていった焦凍の後ろ姿を追う。着物のせいで動きづらくて仕方がない

「 、待って! 」
「 名前……? 」
「 まって、ごめん…… ごめん、なさい 」

袖を掴んで無理やり静止させれば、わたしの名前を呼んでゆっくりとこちらに振り向いた

「 焦凍、… ごめんなさい 」

感情に任せて個性を使ってしまったこと、あなたに嘘をついたこと、あなたに隠し事をしてしまったこと、全部全部、

「 ごめんなさい 」
「 … 俺も、悪かった、突き放したりして 」
「 ちが、… わたしが全部悪い… 」

ぼろぼろと涙腺が緩んでどうしようもなく涙をこぼす、泣く女は ダメだ、…

それでも、あなたと話すことのできなかったこの数週間、寂しくてたまらなかった、

わたしのこの選択が正しいかどうかなんて分からないし、きっとあなたはわたしのこの選択についてたくさん怒るんだろうけど、だけど、あなたがいなくなるぐらいならあなたに怒られた方が何百倍もましなんだ、

あなたがいなくなってしまうくらいなら、わたしがあなたの敵になってあなたに殺された方が、何千倍も幸せなんだ、

「 わたしを生かすも殺すも、全部全部あなたの自由だから 」

わたしが醜く無様にそう言えば 両手を優しく包まれた。コツンと額と額がくっつきあって お互いの息が顔にかかる、

嗚呼、

ずっと続けばいいのに、
わたしの手を誰かがずっと握っていてくれればいいのに。もうこの手を、二度と離さないでほしい、繋ぎ止めていてほしい

ちゃんとわたしがヒーローになるための道しるべになって欲しい