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「 腹も膨れたし、皿も洗ったお次は〜!? 」
「 きーもを試す時間だあー! 」
「「 ためすぜ〜!! 」」
三奈ちゃんに両腕を掴まれて万歳ポーズをさせられる!試すよ〜肝!
「 その前に、大変心苦しいが 補習連中はこれから俺と授業だ 」
「 うっそぉだろぉ〜〜!? 」
「 すまんな、日中の訓練が思ってたより疎かになっていたので、こっちを削る 」
「 っぐェ 」
「 勘弁してくれ〜〜! 試させてくれ! 」
「 あ、いざわせ、んせ、… 首、首ィ 」
相澤先生の捕縛武器が容赦なくわたしら補習組に襲いかかる。首、首締まる、死ぬゥ…
逃げないからわたしの紐だけ解いて!
「 相澤、センセ…… 死ぬ! 」
「 おっと 悪いな蝕喰 」
「 先生! ついでに俺らのこの捕縛の解いてください! 」
「 お前らは逃げるだろう 」
「 ッくぅ! 先生の中で蝕喰と俺らの信頼度が全然違うぜ! 」
「 当たり前だろ 」
シュルシュルと解けた紐。あ〜楽!
未だ縛られてる5人を横目に、軽い足取りで宿舎まで向かう。砂藤くんも、残りの4人並みに信頼度がないのはかわいそうだなあ、この中じゃあ一番信頼度あるのに…!
「 あ〜あ〜 わたしたちも肝試したかったあ 」
「 アメとムチっつったじゃん! 飴は!? 」
「 う゛…… サルミアッキでもいい、飴をください先生ェ 」
「 サルミアッキうまいだろ 」
「 ? さるみやき? 」
「 違う違うサルミアッキ! 知らねえの? 」
「 え〜知らないなあ 美味しいの? 」
「 ………俺は好きではない 」
「 北欧?かどっかの伝統的飴みたいなやつだったっけサルミアッキって 」
「 そ〜そ〜〜! まあ飴! 」
「 お前ら無駄な知識付けてないで補習の内容はちゃんと頭に入ってんだろうな? 」
「 う゛」
サルミアッキって初めて聞いたなあ! 飴と鞭の飴くらいにはなる飴なんだろうか
真っ暗な森の中、宿舎の明かりだけを頼りに生徒6人と相澤先生の計7人でトボトボと歩みを進める。
ぞわぞわと、この間感じたような悪寒が背中を走る。嗚呼、この幸せが終わるんだなあ、なんて
「 今回の補習では非常時の立ち回り方を叩き込む。周りから遅れをとったっつう自覚を持たねえとどんどん差開いていくぞ。講義の意味じゃあこれも飴だ。ハッカ味の 」
「 ハッカはうまいですよ… 」
「 えーわたしは葡萄派! 」
「 いやそこはレモンだろ 」
「 青春の味〜ってか? 」
「 いっちご〜! 」
ーー ガラガラガラ
「 あれれェ!? 可笑しいなあ!? 優秀なA組に赤点が6人も!? B組は僕1人だったのに!? 可笑しいなあ!? 」
「 どういうメンタルしてんだお前! 」
「 昨日も全く同じ煽りしてたぞ 」
「 心境を知りたい 」
「 むしろ物間くんはなんで1人だけ赤点になったのかを知りたい 」
ブラドと一緒にいる物間くん。いや、本当に彼はなんで1人だけ赤点になってしまったんだろうね!? 瀬呂くんタイプの赤点なのかな!? 彼のペア相手、もう少し頑張ってあげたらよかったじゃんね!
「 ブラド、今回は演習を入れたいんだが 」
「 俺も思っていたぜ。言われるまでもなく 」
演習ってことは身体使う補習か。まあ実技で赤点になったわけだし身体を使った補習の方が身について楽しいし楽しみかも…、なんて。
そう思っていれば びくりと身体が震えた
《 みんな! 》
「「 !?!? 」」
「 マンダレイのテレパスだ 」「 わたしこれ好きィ びくってする 」「 交信できるわけじゃないからちょい困るなあ 」「 静かに 」
《 敵2名襲来! 他にも複数いる可能性有り、動けるものは直ちに施設へ! 決して交戦せず撤退を! 》
「 ブラド、ここを頼んだ! 俺は生徒の保護に出る 」
「 なんで、敵がここに…ッ!? 」
「 万全な状態じゃなかったのかよ…ッ 」
「 おいお前ら、ひと塊りになって動くな。絶対にこの部屋から出るなよ 」
林間合宿3日目だ、…
迎えがこんなに早いなんて思っていなかった、
何かに弾かれたように急いで窓の外を見やれば黙々と青い火が狼煙を上げて森を焼き尽くしていた、
『 青い火が狼煙を上げたら、それが合図だ 』
耳に木霊する荼毘の声。
「 さよならだ、…… 」
嗚呼。さよなら、愛しき日々よ
◇
「 ご機嫌よろしゅう、雄英高校! 我らは敵連合開闢行動隊! 」
肝試し中、突如として現れた敵。
「 敵連合!? 」「 なんでここに… 」
敵連合開闢行動隊、そう名乗ったそいつらは ピクシーボブの頭を鈍器で潰して、僕たちに向かって話しかけてくる。敵がどうしてここに!?
「 この子の頭、潰しちゃおうかしら、ど〜かしらあ、ねえ? どう思う? 」
「 させぬはこの!! 」
「 待て待て早まるな、マグネ! トラもだ! 落ち着け、生殺与奪は全てステインのおっしゃる主張に沿うか否か、」
「 ヤツの思想に当てられた連中か! 」
「 あーあ、そう俺は! そう、お前 メガネ君! 保須市でステインの終焉を招いた人物…、申し遅れた! 俺はスピナー! 彼の夢を紡ぐものだ 」
ステイン、その名を聞くだけであの時のなんとも言えない感覚が ぞわぞわと僕の背中を襲う。
「 なんでもいいがな貴様ら、その倒れてる女、ビクシーボブはな 最近婚期を気にしはじめてなあ。女の幸せ掴もうっていい歳して頑張ってたんだよ。そんな女の顔、傷物にして男がへらへらと語ってんじゃないよ! 」
「 ヒーローが人並みの幸せを夢見るか! 」
「 トラ! 指示は出した、他の生徒の安否はラグドールに任せよう! わたしらはここを抑える! みんな行って! いい、決して戦闘はしないこと! 委員長、引率! 」
「 承知しました!さあ行こう…! 」
そうだ、洸太、くん…ッ!
洸太くんはきっといつもの、あの秘密の場所にいる…! きっと今も1人で…ッ!
もし洸太くんに何かあったら…! とにかく、敵と洸太くんを遭遇させないようにすることが最優先だ、… なら僕が、今、出来ることは…!
「 緑谷くん! 」
「 ごめん 先に行ってて…! マンダレイ、僕、知ってます…! 」
ごめん、飯田くん…ッ
待ってて、洸太くん、必ず助けに行くから!
≪ ◇ ≫