20
ーー 遡ること数分前
「 爆豪と、蝕喰ッ!? 」
「 狙いは生徒だとッ!? 」
「 名前、…ッ 」
「 み、三奈ちゃん… 」
クッソ、…!
ンで 爆豪と蝕喰が敵に狙われてんだよッ
「 先生! マンダレイのテレパス聞きましたよね!?ダチが狙われてんだ! 頼みます! 行かせてくださいッ! 」
「 ダメだ! 」
「 なぜです!? 」
「 辞めなってば切島…! 」
ダチが、…… 爆豪がピンチなのにこのまま黙ってここにいられるか…ッ!
「 先生! 敵の数が不明ならば戦力は少しでも多い方が良いのでは!? 」
「 おいおい 敵と殺り合う気か!? 」
「 ああ、そうだ! 闘えって相澤先生も言ってただろ! 」
「 アレは自衛のためだ。みんながここに戻れるようにな 」
「 くっ 」
「 それに 敵の狙いの一つでもある蝕喰が今ここに居るんだ。爆豪を守るのも大切だが近くにいるヤツを優先して護れ。蝕喰! どこから敵が来るかわかんねえ、教室の真ん中にいろ! お前らはできる限り蝕喰の護衛に回れ! 」
っく、…… 確かに、ブラドキング先生の言う事はもっともだけどよ… 蝕喰のことも護らないといけねえのは分かってる…
蝕喰のことを心配してねえわけじゃねえ、むしろ心配しかしてねえよ…ッ! でもここにはブラドキング先生がいるし、仮に敵が来たとしても戦闘許可が下りた俺らもいる…ッ 外にいる爆豪の方が危険に晒されてんだよ…ッ
ガチャ、…
「 誰か来た…? 」
「 相澤先生が戻って来たんじゃ… 」
「 ちょうどいい、直談判します! 」
「 いや、まて、違う! 下がれ! 」
「 ッ!? つめたッ!? 」
「 ああ、ああああいつ…ッ! さっき相澤先生にやられてた敵! 」
敵が宿舎の中まで来やがった…ッ! しかも さっき相澤先生と対立してた敵だと…!?
が、あっという間にブラドキング先生の個性によって壁に打ち付けられる
「 造血強え… 」
「 さすが僕らのブラド先生! 」
「 こんなところにまで考えなしの顔粒か… ずいぶん舐めてくれる 」
「 そりゃ舐めるだろ。思った通りの言動だ。後手に回った時点でお前ら負けてんだよ。ヒーロー育成の最高峰雄英と、平和の象徴オールマイト。ヒーロー社会において最も信頼の高い二つが集まった。ここで信頼が揺らぐような案件が重なればその揺らぎは社会全体に蔓延すると思わないか? 何度も襲撃を許す杜撰な管理体制…… あげくに、生徒を販売集団に奪われる弱さ 」
「 てめえ まさか爆豪を…ッ!! 」
「 拉致する気か! っざけんじゃねえ! 」
「 名前、アタシらから離れないで… 」
「 蝕喰は渡さねえッ! 」
「 蝕喰! 俺らから離れんなよ! 」
俺と砂藤で前に出て、瀬呂、上鳴、飯田、そして尾白の4人で守るように蝕喰を囲む。ぜってえ 蝕喰をヤツらなんかに渡さねえ
「 みてろ、ごく少数の俺たちがお前らを追い詰めていくんだ 」
「 貴様ァ! 」
「 無駄だブラド! 」
「 相澤先生! 」
「 こいつは煽るだけで情報は出さねえよ 」
「 抹消ヒーロー相澤先生! 」
「 それに見ろ、偽物だ。さっきも来た 」
「 偽物… 敵の個性か 」
「 よし、蝕喰はちゃんと此処にいるな…。蝕喰は決してこの部屋から出るなよ 」
「 わ、わかってますよ… 」
「 イレイザーお前何していた 」
「 悪い。戦闘許可を出しに行ったつもりが、洸太くんを保護してた。預かっててくれ。俺は戦線に出る。ブラドは引き続きここの護衛と、蝕喰の護衛を頼む 」
「 まて! イレイザー、まだどれだけ攻めて来るかわからん 」
「 ブラド一人で大丈夫だ。この偽物を見ろ。2回ともこれ1体だ。強気な攻めはプロである俺らの意識を此処に縛るためだとみた。人員の足りない中で案じられた策だこれは 」
「 敵が少ねえなら尚更俺も! 」
「 ええ! 数に勝るものなしです! 」
「 黙れ。プロを足止めする以上、狙いは生徒。爆豪と蝕喰がその狙いの一つなだけで、他にも狙ってるかもしれん。情報量じゃ依然、圧倒的に負けてんだ。俺たちはとりあえず全員無事でいることが勝利条件だ………ッ!? 」
「 おい、どうしたイレイザー 」
「 待て、お前ら…… 蝕喰は、どこに消えた? 」
「 え…? 相澤先生、名前なら此処に、…!? 名前!?!? 」
「 ッ!?!? 蝕喰! 」
「 この一瞬でどこに…!? 」
「 さっき俺が此処に入って来たとき、間違いなく蝕喰はこの教室にいた。それに 俺は名前を呼んで存在も確認した、… 」
「 じゃ、じゃあ名前はまさかッ 」
◇
「 お茶子ちゃん、腕、大丈夫? 」
「 大丈夫、掠っただけ 」
梅雨ちゃんと歩いてたら 突然、敵に斬り付けられた。 なんとか身をよじって軽傷で済ませたけど、……
「 ん? んん? 浅い、少ない 」
「 急に斬りかかって来るなんて酷いじゃない なんなのあなた 」
「 トガです! 二人とも、かあいいねえ。麗日さんと蛙吹さん 」
「 名前、バレとる… 」
「 体育祭かしら。なんにせよ、情報は割れてるってことね。不利よ…! 」
「 血が少ないとダメです。普段は切り口からちゅうちゅうと そのまま吸い出しちゃうのですが、この機械は刺すだけでちゅうちゅうするそうで、お仕事が大変捗るとのことでした。…… 刺すね、」
「 来たっ!? 」
梅雨ちゃんに助けられ、わたしはなんとか逃げ出すことに成功したけど、梅雨ちゃんが…ッ!
「 お茶子ちゃん! 施設へ走って! 戦闘許可は敵を倒せじゃなくて身を守れって事よ! 相澤先生はそういう人よ! 」
「 梅雨ちゃんも! 」
「 もちろんわたしも! …けろっ!? 」
「 梅雨ちゃん、梅雨ちゃ、… 梅雨ちゃん… かあいい呼び方あ。あたしもそう呼ぶね! 」
「 やめて、そう呼んで欲しいのはお友達になりたい人だけなの 」
「 きゃあ! じゃああたしも友達でぇす! 」
「 梅雨ちゃん! 」
「 血、出てるねえ お友達の梅雨ちゃん。かあいいねえ、血ってあたし、大好きだよお 」
「 離れて! 」
ナイフ相手には片足軸回転、相手の直線上から消え、手首と首根っこをつかみ、思っきし引き倒す! 職場体験で教わった近接格闘術ッ!
「 凄いわお茶子ちゃん! 」
「 梅雨ちゃん! 拘束! できる!? 痛い!? 」
「 ベロは少し待って…」
「 お茶子ちゃん、あなたも素敵。あたしと同じ匂いがする。好きな人がいますよね? そして、その人みたいになりたいと思ってますよねぇ 」
『 勝つ、…… 勝って、わたしもデクくんみたいに…ッ! 』
「 わかるんです、乙女だもん 」
なに、この人……
「 好きな人と同じになりたいよね、当然だよねえ。同じもの身につけちゃったりしちゃうよねぇ。でもだんだん満足出来なくなっちゃうよねぇ。貴方の好みはどんな人? わたしはボロボロで血の香りがする人が大好きですっ だから最後はいっつも切り刻むの。ねえ、お茶子ちゃん。楽しいねえ 恋バナ、楽しいねえ! 」
ッ刺された!?
「 お茶子ちゃん! 」
「 ちゅうちゅうちゅうちゅう ちゅうちゅう 」
ッぐ… どうしよう…!
「 麗日!? 」
「 障子ちゃん! みんな! 」
「 うわっしまっっ!? 」
デクくんたちに気を取られてしまって、掴んでいた手首が掌から抜けていってしまった
「 人が増えたので、殺されるのは嫌だから バイバイ 」
「 まて! 」
「 危ないわ! どんな個性を持っているかもわからないわ! 」
「 なんだ今の女 」
「 敵よ、クレイジーよ 」
「 麗日さん、怪我を… 」
「 大丈夫!ぜんぜん! 歩けるし… ていうかデクくんの方が 」
「 立ち止まってる場合か! 早く行こう! 」
「 とりあえず、無事でよかった… そうだ、一緒に来て! 僕らは今、かっちゃんの護衛をしつつ施設へ向かっているんだ! 」
デクくん、轟くん、障子くん、そしてB組の男の子。4人がわたしたちをとりあえず助けてくれたんだけど…… 爆豪、くん?
「 …けろ? 爆豪ちゃんを、護衛? その、爆豪ちゃんはどこにいるの…? 」
「 あぇ…? なに言ってるんだ、かっちゃんなら後ろに…… ッ!?!? 」
「 彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ! こいつはヒーロー側にいるべき人材じゃあねえ。もっと輝ける舞台へ、俺たちが連れてくよ 」
「「 !?!?!? 」」
「 返せッ!! 」
「 返せ? 妙な話だぜ、爆豪くんは誰のものでもない。彼は彼自身のものだぞ エゴイストめ 」
「 返せよ! 」
「 どけ! 」
「 我々はただ、凝り固まってしまった価値観に対しそれだけじゃあないよと道を示したいだけだ。今の子らは価値観に道を選ばされている 」
「 爆豪だけじゃない! 常闇もいないぞ! 」
「 わざわざ話しかけてくるとは舐めてんな 」
「 元々、エンターテイナーでね、悪い癖さ。常闇くんはアドリブで貰っちゃったよ。ムーンフィッシュ、… 歯齦の男な。彼はあれでも死刑判決控訴棄却されるような生粋の殺人鬼だ。それをああも一方的に蹂躙する暴力性、彼もいいと判断した 」
「 この野郎! 貰うなよッ!! 」
「 緑谷、落ち着け! 麗日、こいつを頼む! 」
「 う、うん! 」
「 悪いね、俺は逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ! ヒーロー候補生なんかと闘ってたまるかよ… 開闢行動隊、目標回収達成だ! 蝕喰名前もどうやら荼毘の元にいるようだし、短い間だったがこれにて幕引き! 予定通り、5分以内に回収地点へ向かえ! 」
「 幕引き、だと…!? 」
「 回収って…… 名前ちゃんもヤツらに攫われたってこと!? 」
「 ダメだ、させねえッ!! 」
≪ ◇ ≫