闘神太子
(3/5)
「観世音菩薩に泣きつき獄中で悠久の時を過ごすのか?」
「……それで償えると言うのなら甘んじて……」
「ならばここで宣言しろ。一度として世に出た事のないこの赤子達の前で、この者達の存在は愚行の末の産物だったと!」
今更何を言ってもただの戯れ事。徐々に退路を断たれては絶たれた。
「お前が居なければこの者達は生涯このまま。上層部に引き渡たせば一日ともたぬだろう」
次から次へと浴びせられる言葉は、憔悴した私の頭を縦横無尽に駆け巡り、この苦虫と一緒に舌を噛み切ってしまいたくなる。
「我が息子の付き医者となり、この者達を世に出すべく尽くすか、己の罪悪感の軽減と引き換えにこの者達を見捨てるか」
握り締めた拳に爪が食い込み、独特の臭いが鼻腔を掠める。私にまだこんな力が残っていた事には驚いたが、李塔天様の前ではなんの役にも立たない。
「さあ選べ。お前が償うべき相手は誰だ?」
ここまで大きくなってしまった背徳の代償。李塔天様の言う通り、私が償うべき相手はここに居る罪無き者達。そして、この者達を生ける者に出来得るのは他でもない、私だけ。
「李塔天様……」
「何だ?身の振りは決まったか?」
利用されているのは百も承知。しかしこの者達に安寧を齎すにはそれなりの立場も必要不可欠。
「はい。……仰せの通りに」
自ずと知れた浅はかな道。
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