罪重ねるは存在理由

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時を同じくして、この天帝城には人間でも妖怪でもない、大地が産んだ生き物だという幼児を恵岸行者が下界より連れ帰ってきたという。


そんな話が耳に入ってきた白羅は、一抹どころでは済まない不安感に襲われるが、ナタクがまた悪戯をして逃亡中とあっては、頭の中は直ぐさまナタクを探す事に占められていった。


「ナタク様!どこへお隠れですか!」


あちらこちらを探してみるも、この広い城内では簡単に見つかるはずも無いと解ってはいたが、白羅は城内を走り抜けていく。


「……本当にどこへ行かれたのやら」


白羅がそう漏らした時だった。前方から、金色の美しい髪を垂らした金蝉童子が、息を切らしながら声を荒げ、白羅の目の前を塞いだのだ。


「あのクソチビ猿がっ!どこへ行きやがった!!……っと、悪い」


勢い余ってぶつかってしまった金蝉は、白羅にそう告げるとまた声を荒げ、足早に去って行く。


「チッ、手間かけさせやがって!」


そんな金蝉の姿を呆気に取られて見ていた白羅だったが、彼女もハッとし我に返るや否や、ナタクの捜索を続ける。


「ナタク様!ナタク様ー!」


そして、辺りを窺いながら叫び続けて数十分後。また彼女の前を塞ぐ者が居た。


「あっ……す、すみません……」

「あぁ、悪い……」


今し方聞いたような声だとお互いが視線を交えると、見上げた先の金色の髪は静かに揺れ、見下ろした先では無造作に束ねられた黒髪が一束落ちた。


「お前は……」

「あなたは……」


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