不浄なる者

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ただの口約束に過ぎないと思っていたが、それからというもの、度々李塔天様がここへ訪れてくる様になった。


「それで、我々とは何たるかは解ったのか?」


「李塔天様、それは先を急ぎすぎです。例え人体を構成している物が解ったとて、それから更に遡らなければ答えは見つかりそうもございません」



この方も余程ご興味がおありなのか、熱心に私の話に耳を傾けていた。



「遡る……か」


「はい。私にとって時を進める事よりも難儀な事です」


こうした談議を何度となく繰り返していた陰で、城内では私が不浄な研究をしていると噂立ち、私に対して異を唱える天界人が出はじめていた。



まるで私自身が不浄な者だと言わんばかりに、すれ違っても目も合わせず、公務に必要な書類はドアの外に重ねられ、ついには天界に混乱を呼ぶ恐れのある危険因子とみなされ懲罰房行きを余儀なくされた。


「お許し下さい!私にそんなつもりは毛頭ございません!どうか……どうか……」



この時、暗く狭い場所に押し込まれ、様々な責め苦を宛がわれたが、今思えば軽すぎる罰だったに違いない。


死を与えてくれていれば……。



そうすれば、更なる大罪を犯さずにいられたのに……。



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