同じ旅路

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「ねぇ、なまえちゃんってさ〜、昔からお人形みたいに綺麗だったよね〜」


おじさんは嫌な目つきでわたしに近付き、間近で覗き込む。そしてわたしの顎を持ち上げ嗤うから言いたくなった。


「触んないでくれる?」


怯えるわけでも無い、そんなわたしを見ておじさんはまた嗤う。そして次の瞬間、おじさんは鋭い眼光を放ちながらわたしの鳩尾に拳を叩き込んだ。


「……お人形は喋っちゃダメでしょ」


腹部に激痛が走り、わたしは小さな呻き声を上げその場に倒れ込んだ。


「お人形さん、君にお願いがあるんだよ」


的確に急所をつかれ、ろくに呼吸も整ってないわたしにおじさんは言う。


「ボク、今度は経文が欲しいんだよね。なまえちゃんさ〜、またあの時みたいに持って来てよ」



本当は少しだけ信じてたんだ。おじさんはいつも優しくしてくれたから、きっと何かの間違いなんだって。


だけどやっとすっきりした。これで思う存分怒りをぶつけられる。

おじさんにも、自分にも。


「もう同じ事はしないよ」


因果応報という事を身をもって知ったからね。



「わたしは牛魔王の蘇生を止めるために"ここ"に来たんだ」


「わざわざ不幸になることないのに残念だな〜」


おじさんは眼鏡を妖しく光らせ背を向けてドアの方を指差した。


「じゃ早く行ってあげたら?何にも知らない"仲間"のところに──ね?」



悔しくて情けなくて涙が溢れた。高みの見物してるおじさんにも自分の過ちにも。


だから、だから……これはわたしの償いの旅だと、みんなに言っておきたかった……。
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