同じ旅路

(8/10)
「満足した?」


カミサマはにこやかに歩き、わたしの方を見る。


「お姉さん、哀しいと思わない?強いつもりの人達ってさ。カッコ付けてつっぱねて、今までずっとそーやって生きてきたんだよ、この人達」



呼吸する度に血が噴き出し、言い返したくても言い返せない。


それからカミサマはゆっくりと三蔵に近付いて、"センセーの受け売り"だと言って"無一物"を語り出す。



「君らは執着し過ぎたんだ。生きる事とか勝ち続ける事に。だからね、君には"三蔵"を名乗る資格はないんだよ」


そしてカミサマは三蔵の経文を奪い、取り返そうとした三蔵を蹴りつけ、経文を自分の肩にかけた──。


『経文が欲しいんだよね』


不意におじさんの言葉が頭を掠めると、わたしは無意識のうちに銃を構えてた。


──ガウンっ!!


それは三蔵の経文だと、声にならないまま銃を撃った。けれどもカミサマはゴミでも払うかの様に体を翻し、わたしを見ると一瞬で間合いを詰めてわたしを踏みつけた。



「誰でもそうなんだ。覚悟決めて生きてるつもりでも、いざとなったら死を拒む。死にたくないんでしょ?」



──無様だネ。




わたしの意識は、そこで途絶えた。

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