キスでもしてやろうか

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「チッ、何だってんだ」


悪態つく三蔵を余所に、なまえはベッドに胡座をかき、菩薩の言葉を頭の中で繰り返していた。


『三蔵とのキスはどうだった?』


どんな答えを期待してんだか知らないが、嫌……じゃなかった事は確かだよ。


なまえそう心で呟いては、小さく綻ぶ口元を隠せなかった。



「何笑ってやがる?」


思わぬ菩薩からの抱擁を受けたなまえを目の当たりにし、三蔵は少なからず胸中をざわつかせたが、それを紫煙と共に飲み込みながら言ってみても、なまえはぼーっと天井を仰ぎ見ている。



自分の世界に入っているのか、それは三蔵がなまえのすぐ傍に立ってみても変わらない。


三蔵はベッド脇の灰皿に煙草を投げ捨て、天井を仰ぎ見ているなまえを見下ろした。



「いい度胸してんじゃねぇか」



見下ろす三蔵と見上げるなまえ。


複雑に絡まる視線を辿れば単純な事。三蔵は薄々それを解っていながらもなまえを黙って見下ろすがそれも束の間。


菩薩と抱き合ったなまえが頭の中でチラつくと、無意識の内に三蔵はなまえの唇に引き寄せられていた。



自分が理解出来ねぇ。


こいつに触れた奴らも、こいつに触れようとする奴らも許せねぇ。



先走る感情を必死で抑えながらも、三蔵はなまえを抱き締め深く舌を絡ませていく。


「……んっ……三蔵……っ!」


甘い吐息混じりになまえが名を呼ぶ。



お前は黙って俺の名だけを呼んでいればいい。

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