キスでもしてやろうか
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誰がこんな風にした?
どうすれば今までと変わらず居れるんだ?
なまえを抱き締めた腕は離れるのを拒む。口付けた唇も深くなまえを追い掛け離れない。
否。離したくねぇ。離せねぇんだ。
「……三……蔵っ……」
無防備に俺を呼ぶ声も、火照った体温と哀色の瞳も、もう俺は離せねぇんだよ。
「黙ってこうしてろ」
銀糸に結ばれたまま三蔵は抱き締めた腕に力を込めて呟いた。
「えっ……?」
俺の中で疼くこの気持ちを、お前が愛と呼ぶのなら……。そしてお前がそれを望むなら……。
今すぐにでも教えてやるさ。
「さっさと寝ろ」
「寝れるか馬鹿……」
そんな事は解ってるさ。
俺だって同じだからな。
「じゃあキスでもしてやろうか?」
俺が欲しいのはお前の身体だけじゃねぇ。
俺を望むお前が欲しいんだ。
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