壊したいんだ
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悟空は水を取りにジープへ行き、なまえは八戒と悟浄に付き添っていた。
「ここ最近ろくに寝てなかったらしいからな。無理もねェか……」
不気味な程静かなこの場所では、独り言とも言える呟きもよく響く。
「アイツ……、八戒に何の用があんの?」
「……さぁな。ただ言える事は、全てはアイツのシナリオ通りって事だ。俺達は踊らされてんだよ。───お前もな」
紅孩児達はなまえを知らなかった。ならばなまえを殺しかけたのはアイツしか居ねぇ。
今思えばなまえの傷口は間違い無く麻雀牌に撃ち抜かれたものだ。さっきの口ぶりから、それを手当てした八戒はとうに気付いているはずだ。
悟浄の心臓のすぐ横を狙ったのもわざとだろう。そして八戒の目の前で俺に悟浄を撃たせたのも……。
清一色の憎悪が生まれた原因は解らない。
……だが明らかなのは、奴は八戒を殺したいんじゃない。
───壊したいんだ。
色濃く漂う霧の中、未だ悟空の姿も見えない。
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