眠れぬ夜の物語
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忘れる為に聞くのか?
断ち切る為に聞くのか?
頼むから、思い出させんじゃねぇ。
葉の擦れる音がやけに耳障りで、過去に呑まれてしまいそうな夜に、なまえは俯いて言葉を紡いだ。
「あんたの真意を教えてよ……」
「それ以上は、言うな」
たまらず上空を見上げれば、雲間から月が顔を出し啼いているようで、嫌でもあの夜を思い出す。
知らなかったんだろ?必死だったんだろ?必要とされて、嬉しかったんだよな……?
「わたしが……」
「煩ぇんだよ!」
五百年もの時を経ても、お前はまた同じ事を言うのか。この何にも出来ない俺に、あの時と同じ様に……。
「……忘れろよ」
それは紛れも無く自分に向けた言葉。今もあの夜の出来事を繰り返してる様で、無意識の内に拳が震えている俺自身への言葉。
「忘れんのと無かった事にすんのは違うじゃん……」
独り言の様にそう漏らしたなまえ。
「勘違いしないでよ?確かに今更真実を知ったってどうなる訳もない。だから、菩薩の真意が知りたいんだ……」
重なって見えたお前の最期は、俺のただの現実逃避なのか?
ここに居るのはあの時のあのお前じゃなく、"なまえ"なんだよな?
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