私に出来る事って何?
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「三……蔵、三蔵っ!」
持ち合わせてた解毒薬は時間稼ぎくらいにはなるのかな。数ヶ所ある傷口から毒が回ってて、傷口を手当てする以外どうしようもない。
「八戒、早く血清を手に入れないと……」
そう言いかけた時、真剣な目をした悟空が静かに近付き呟いた。
「後でどーにかして止めてくれる?」
三蔵を助けたいと思う悟空の思い。
「俺、今のままじゃアイツ殺せないから。だけど負けらんないから」
───頼むな。
思いの強さに大地を震わせ、現れた斉天大聖孫悟空。これが悟空本来の姿だった。
紅孩児は目に見えない速さで吹っ飛ばされ、召喚魔までも掻き消された紅孩児の腕はへし折られ、腹部も切り裂かれ悶えている。
嗤いながら爪を立て切り裂いて。止めに入った独角児も一撃で飛んだ。
悟空、それ楽しいの?それ以上やったら洒落になんないよ。
「コレを止めろってか?無茶言うぜ。……なぁ悟空」
目で追えない動きでも、悟浄の骨が折れる音だけははっきり聞こえる。
「もう充分でしょう、悟空。これ以上暴れ続けたら、傷付くのは貴方なんです……!」
八戒の声も届かない。重く鈍い音だけがわたしに届く。
「止められるわきゃねーだろ……」
でも、悟空なんだ。
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