やがて、朝

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「ごちゃごちゃ言ってねぇでこのまま寝ろって言ってんだよ」



三蔵はなまえを抱き抱えながらベッドに潜り、唇をなまえの耳元へ宛がった。



「恐いなら一緒に寝てやるよ」



そう囁くと、三蔵は動きを止め、なまえに回した腕だけに力を込めて目を閉じた。



そんな三蔵を見たなまえは、これ以上は無いと安堵するも、どこか寂しさを感じハッとする。



何を期待していたのだろう。

三蔵はわたしが眠れるようにとここまでしてくれたんだ……。


そう自分に言い聞かせ、なまえも三蔵に倣い静かに目を閉じた。



しかしなまえはすぐに恐怖に襲われる。そしてその度に三蔵の胸元できつく拳を握り締める。


震えながら、それでも必死で眠ろうと目を閉じ続けた。



すると、不意に三蔵の抱きしめる腕の力が強くなった様な気がして、なまえはうっすらと目を開けた。


試しになまえが拳に力を込めてみると、やはり三蔵はしっかりと抱きしめてくれるのだ。



「三蔵……」


「……何だ?」


「何か……落ち着く……」

「……フン、だったらさっさと寝やがれ」









外は長い夜の終わりを告げるように、窓からはうっすらと陽が差し込んできたが、なまえはその日差しよりも、三蔵の力強い腕の中の安心感に身を寄せた。
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