Midnight

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その後、夕食も済ませた一行は、それぞれ三蔵と八戒の部屋に集まり、明日の朝食の時間を確認し、悟浄と悟空は割り当てられた部屋へ向かって行った。


なまえはそんな二人を見て、自分もそろそろと腰を上げ、大きく深呼吸してからドアに手を掛ける。


「じゃ、わたしも行くね」


「なまえ、無理はしないで下さいね?」


八戒の言葉に苦笑しながら頷いたなまえは、静かに部屋を出て行った。


「チッ。ただ寝るだけだろうが……」


しかしそんな事であってもなまえにとっては一大決心である事は三蔵にも解っていた。


そしてそんな三蔵に向けて、真剣な顔をした八戒が静かに口を開く。


「三蔵、暫くしたらなまえの様子を見に行ってくれませんか?」


「……何故だ?」


三蔵の鋭い視線に目を伏せた八戒は、あの夜の事を話し始めた。


「以前、僕がなまえと相部屋になった夜、なまえも眠ろうとしたみたいなんです。だけど……なまえ……」


「……あいつがどうした?」


なかなか先を口にしない八戒に痺れをきらした三蔵が八戒に続けるように促すと、伏せた目をより深く伏せて呟いた。


「なまえ……、何かを必死に堪えているんですよ……。気になって声を掛けたら……なまえは泣き出してしまいました……」


切なさを浮かべた八戒が顔を上げ、三蔵に向かって続ける。


「あの時の僕は何も出来ませんでした。きっと今度も僕では無理です。だけどなまえがこう決心した今……」


八戒がそう言いかけた時。


「八戒、もういい。……気が向いたら行ってやる」


三蔵のその一言に救われたのは決して八戒だけでは無く、一人で眠ろうと決心したなまえも同じく三蔵に救われるのだ。


「……三蔵、頼みますよ……」

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