Midnight

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三蔵の言葉に顔を歪めたなまえ。その拳は堅く握られている。


「夜眠るのが何故そんなに辛い?」


いつになく低い三蔵の声色になまえはただ閉口する。そしてその間にも三蔵の煙草はジリジリと短くなっていき、業を煮やした三蔵が立ち上がりそれを灰皿へ押し付けた時──。



「夜が恐いんだよ……」


小さな声を震わせてなまえが呟く。


「一度に全部失って……、寂しくて恐くて……助けて欲しかったのに……。眠ろうとするとあの孤独に押し潰されそうになる……」



どんなに泣いて自分を責めても朝は遠く、一生かかっても返せない借金を背負い途方に暮れた。

その時に学んだ生きる術は、自尊心や人格といったものを奪っていったが、同時に夜に眠る恐怖も奪ってくれた。



初めこそ震えていた声も、なまえがそこまで話し終えた時には驚くほど穏やかになり、三蔵は静かにそれに耳を傾ける。


「不思議な事に、真実を知ったのはこの世界に来てからなんだけど、全てを知って納得した。だから眠れると思った……。でもさ、そう簡単にはいかないみたい」



ふーっと息を吐いたなまえは天井を仰ぐ。その横顔は普段のなまえに戻っていた。



「フン。その努力だけは認めてやる。……が、どうするんだ?」



三蔵の言葉になまえは眉根を寄せながら視線を向けると、不適に笑った三蔵が再度口を開く。



「夜はまだ終わってないだろう」




そう言い終わるや否や、三蔵は勢い良くなまえをベッドに押し付け、それに戸惑うなまえを真上から見下ろした。


「一人で寝るのが恐いんだろ?」

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