麻雀牌が語るもの
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この世界に来てから何度も死にかけた事がある。それでも皆が居たからそれ程恐いとも思わなかった。
甘い、甘過ぎた。
この恐怖は生きてるから?
清一色が何かを弾いた瞬間、周りから全ての音が消え去り、"わたしは死ぬんだ"と全身が警報を鳴らし、清一色から放たれたものはわたしの心臓目掛けて飛んでくる。
避けられない──。
そう思って目を瞑ろうとした時、『危ないっ!』という声が聞こえ、硬直していた身体が一瞬だけ動いた。しかし、それだけでは間に合わず。
グヂュ──。
不快な音と共に左の肩口を何かが通り抜けていった。
不思議と痛みは無い。否、正確には痛いのだろうが、それよりもこの殺気から解放された事に安堵した。
「大丈夫ですか?少しじっとしてて下さい」
顔を上げれば綺麗な女性が懐から薬を取り出している。わたしのじわじわと熱を持つ傷口からは血が溢れ、銃創よりも大きな穴が空いていた。
「お前、大丈夫か?」
この声……。
この声が聞こたから心臓を撃ち抜かれずに済んだんだ……。
わたしを見下ろす、紅く上品だけれども野性味溢れる佇まい。それは妖怪そのものだが、今まで出会った妖怪と決定的に違うモノがある。
─絶対的存在感─
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