麻雀牌が語るもの
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「紅孩児様、ここではこれ以上の事は出来ません」
「お前、この辺りの者か?」
無意識のうちに滲み出る威圧感。だけど不思議と怖いとは思わなかった。
「……旅……してる。皆とはぐれた。多分……街の……広場に……痛っ!」
声を出す度に肩口から流れる血液。それは徐々に痛覚を呼び覚ます。
「紅、俺達も広場に向かってんだ。ついでに運んでやるか?」
「……そうだな」
八百鼡と呼ばれた女性の応急処置が終わるや否や、紅孩児はわたしを抱き上げて走り出した。
身体の左側が熱く痛み思わず顔を歪めてしまう。
今度ばかしはハリセンだけじゃ済みそうもない。そう思って身震いした。
「紅孩児様、あそこに李厘様が!」
八百鼡さんが指差す方へ屋根を軽々と飛び越えて行く。わたしは痛みを堪えながら意識を保つのが精一杯。カッコ悪いったらありゃしないー。
するといつの間にか紅孩児は足を止め、屋根の上から言葉を吐き捨てる。
「そこまでだ。また会ったな"三蔵一行"。我が妹……、返してもらいに来た」
い、いま、三蔵一行って言った……?
ヤバ……。すっごい嫌な予感。
わたしはそのまま気を失いたかった。マジでっ!
「紅孩児!……となまえっ?」
三蔵と紅孩児の視線が恐すぎる……。
「……お前が三蔵一行に加わったという女だったのか」
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