旅支度

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しばらく目を瞑っていると、急に眩暈を感じ、次の瞬間軽い衝撃を受けた。


「よし、目開けていいぞ」


恐る恐る目を開けると、口を開けたまま呆然としている四人が固まっていた。


チラッと窓に目をやれば、見たこともない景色が見える。物珍しい顔で辺りを見回していると、蟀谷に冷たい銃口を突き付けられていた。


「……誰だ?」

「三蔵、こいつは敵じゃない」


低く威圧的な声の主は流れるような金髪で、紫水晶の目でわたしを射抜こうとしていたが、菩薩の一声により銃口を下げた。


「えーと、説明して頂けると助かるのですが」


深い緑色をした目の男が笑顔で菩薩とわたしを交互に見る。


すると菩薩は簡潔に説明した。


「今日からこいつはお前らの旅に同行するんだよ」

「はっ?聞いてねぇしっ!」

「今言っただろ?」


素晴らしく簡潔すぎる説明です。わたしを含め、その場に居た皆が菩薩に怪訝な顔を向けると、仕方無しに菩薩は補足する。



それを聞いていたわたしは後退りしたが、菩薩はわたしの目の前にアタッシュケースを差し出した。


菩薩は顎で開けろと促したので、わたしは恐る恐る開けてみた。



「……っ!?何これっ!」



中には医療器具一式と薬品が少し。それと一丁の銃だった……。


他の四人もケースを覗き込み、菩薩は本気なんだと確信する。



「俺からの餞別だ。有り難く受け取りな。よし、じゃあ野郎共、なまえを宜しくな」



次の瞬間、菩薩の姿は消えていた……。



とりあえず、これ現実?

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