後悔と憧れ

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ジープはスピードを増し、それと同時に揺れも大きくなる。



「……悟空、酔ったかも。……吐きそう」

「うわぁぁぁっ!なまえちょっとストップ!」

「おい三蔵!なまえと席かわってやれよっ!」



悟浄はなまえを助手席に移そうと抱き上げた時だった。



――ガコッ!!


ジープが激しく揺れ、なまえを八戒の方に手放してしまった悟浄。



「うわっ!馬鹿!危ねぇっ!」

「あらっ……?」




――ザッブーン!!


見事川に落ちた三蔵一行。しかし水面に浮かんだ顔は四つ。


「なまえが流されてますね」



八戒の声を聞いた三蔵は急いでなまえの服を掴み引き寄せた。



「おいチビ猿、死んでんならこのまま流すぞ」

「……鼻に水入って痛い」


三蔵に減らず口を叩けるのだ。なまえも大丈夫だろうと皆が息をついた瞬間、


「悟浄のせいだぞっ!」

「何だよ!俺はお前の為を思ってなまえを……」


悟浄と悟空の小競り合いが始まり、それに切れた三蔵は二人の頭を川に突っ込む。


「死ねっ!このまま死ね!」



するとどこからともなく女性の笑い声が聞こえてきた。声の方を見やれば笑い涙まで浮かべて笑っている女性。


「ごめんなさい。あんまり楽しそうだからつい」



三蔵はヨロヨロと立つなまえを支えながら額に手を当て、同類にみなされた事を嘆き、八戒は洗濯を邪魔してしまったかと謝っている。


「それよりどーすんだよ。なまえもこれだし、替えの服までずぶ濡れじゃんか」



「あ、良かったらウチの村まで来ませんか?笑っちゃったお詫びに熱いお茶でも」

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