後悔と憧れ

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用意してもらった部屋の窓枠にもたれ、自分が落ち着くまでただ待った。



この可愛いワンピースを脱ぎ捨てて、お互いを確かめ合ったりしたのかな?
どんな感じなんだろう?


愛した人が居なくなるって、家族が居なくなるのと同じなのかな……。




それとも、裏切られた時に似てんのかな?




視界が揺れる。
目を閉じれば夢に侵され、目覚めれば男に犯されて。そんなわたしが憧れてた恋はどんな感じなんだろう?


わたしの意識はそこで途絶え、気付いたらベッドの上で"沙爾燕"という名前が聞こえた。


本妻に殺されかけたところを悟浄の腹違いの兄が救ってくれたとか。

悟浄が"禁忌の子"だとか。



外の空気が吸いたくなったわたしは、ゆっくりと体を起こしベッドから降りたが、それに気付いた三蔵にハリセンをかまされた。


――スパーン!



「勝手にハケようとしてんじゃねぇぞ?言伝も知らねぇのか?チビ猿がっ!」

「三蔵落ち着いて。なまえもちゃんと言ってくれないと心配するじゃないですか」

「そーだよなまえっ!もう大丈夫なのか?」


もしかして、心配してくれたのかな。



「ごめん。もう大丈夫。ちょっと外の空気吸ってくるよ」



苦笑というより自嘲した顔。わたしはそんな顔になってしまう前に皆に背を向けた。

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