後悔と憧れ

(7/10)
「自責と後悔の血の色」

「やっぱりそう見える?」



そう言ったわたしから、悟浄は静かに目を反らす。



それだけじゃ無いよ。わたしは欲しくて、したくて仕方無かったんだ……。



悟浄の綺麗で真っ赤な髪に触れ、今度はわたしが悟浄を真っ直ぐ見据えてから続けた。



「燃える様な、真っ赤な恋の色……」



悟浄の髪を口元に手繰り寄せ、暫し訪れる過去の記憶。


この赤い糸にどんなに憧れていたことか。
初めての痛みと純血が、もっと綺麗な思い出であって欲しかった。求めても求めても、決して手に入らない。

そう言葉を漏らすと、わたしの髪をすっと梳かしながら悟浄が言った。


「……なまえ、やっぱり慰めて?」



そう言ってわたしを抱き締めた悟浄は、耳元で自分は"禁忌の子"だと言った。


それを知ったから何か変わるもんでも無く、悟浄は悟浄だと思ったから、わたしの全てを知った悟浄もそう思ってくれるかな?とか思ってみたりもした。



抱き締めたり抱き締められたり、今では何も感じないわたしだけど、それでも悟浄の慰めになる?



「……悟浄相手じゃ荷が重いな」

「んなこた無ぇよ。こうしてるだけで充分だから……」




抱き締め返した悟浄の髪を、指に絡めれば届く気がした。



本の一時でも。



この手で触れてみたい、真っ赤に燃える恋の色。
.
53/180

ListTopMain
>>Index