Past

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無知だったわたしは、いろんな奴に言いくるめられ、財産も両親の残した病院さえも失い、訳の解らない借金まで背負わされ、挙げ句の果てに借金のカタに売られた。



今まで親の臑齧ってたわたしが、生きて行く為その時学んだ事は、好きでも無い男に媚び売って、脚を開いて喘ぐ事。



「軽蔑するよねー」


話し終えたなまえは自嘲気味にそう残し、また森の中へ踵を返した。そんななまえを目で追いつつ、観世音菩薩は語る。



「なまえはその場限りの愛情しか知らねぇ。そして元の世界に未練は無ぇと言った。寂しいと思わねぇか?生きてんのか死んでんのかすら解んねぇよ」

「だからって何で俺達に預ける?」


三蔵の言葉はもっともだ。しかし菩薩はそれに問いで返した。


「なまえが笑うと何か感じねぇか?」



これは俺のエゴだ。

けど、お前等も無意識の内に感じてるだろうが。愛情を知らねぇ奴の、愛情の深さをよ。昔のように、不思議と感じてるものがあるだろうが。



お前らが出会って変わった様に、なまえにも変わって欲しい。


遥か昔、閉じ籠っていたあいつが笑ったのは、全てが最期の為だったなんて思いたくねぇんだよ。今も昔も、利用されるだけだったなんて思って欲しくねぇんだよ。



ま、俺のエゴなんだけどよ。

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