at all times

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髪を撫でる三蔵の手。唇から零れる吐息。何度も深く交わされる口付けは、呼吸をするために離れるのも名残惜しいと思ってしまう。


「三蔵……」

「黙れ。黙って俺に付き合ってろ」


深く深く絡みついて、言葉とは裏腹の優しい愛撫。三蔵の思いに貫かれ、身体を捩った先に見えるは、くすぶった煙草と邪魔になった新聞紙。


互いに火照った身体と心を重ねれば、その思いの深さに酔いしれて、今日も私は三蔵の腕の中で眠るんだ。






一夜明け、まだ気怠さが残ったまま身体を起こすと、三蔵は既に椅子に腰掛け新聞を広げていた。時計はギリギリ午前中といったところを指していて、昨夜を思い返せばそれも致し方無いと思う。私の体力では三蔵について行けない。


「……おはよう」

「あぁ」


いつもの様にそっけない返事が返ってきたが、ふとテーブルの上に視線を落とすと、小さな箱が大事そうに置かれていた。


「……三蔵、これどうしたの?」


少し伏せられた隙間から覗く紫の瞳と斜光に反射する金色の髪。


隣に漂うマルボロの香り。


「ふん、さっき煙草を買いに行ったついでだ」


冷血堅物、短気で無愛想。


私、これ開けなくても解っちゃったよ。


三蔵が見せる不器用な優しさと遠回しな気持ち。それはいつだって私を幸せにしてくれる。


だってそうでしょ?


この箱の中には、三蔵の瞳と同じ色の……、あの紫色のピアスが入っているんだよね。



END
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