月夜に想う
(5/5)
手を伸ばして引き寄せれば、遠慮がちに体を預けてくるお前が。
唇を割って絡ませれば、俺を追い求めてくるお前が。
欲しくて欲しくて仕方無ぇ。
「……好きなんだよ」
「三……蔵っ……」
不思議な程まで焦がれた心と壊してしまいたい程の独占欲は、月明かりに照らされる度に焦燥感と共に募る。
月に魅せられたのはお前じゃない。
魅せられたのは俺の方だ。
頼りない月夜に想うは同じ。
俺はお前が好きなんだ。頼りない月夜にはそう確かな想いを乗せて。お前の瞳から輝き落ちるその一滴の愛までも、決して零してしまわぬように、強く、強く抱き締めた。
END
- 5 -←|→
List|Top|Main>>
Index