月夜に想う

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手を伸ばして引き寄せれば、遠慮がちに体を預けてくるお前が。

唇を割って絡ませれば、俺を追い求めてくるお前が。


欲しくて欲しくて仕方無ぇ。





「……好きなんだよ」

「三……蔵っ……」




不思議な程まで焦がれた心と壊してしまいたい程の独占欲は、月明かりに照らされる度に焦燥感と共に募る。


月に魅せられたのはお前じゃない。
魅せられたのは俺の方だ。


頼りない月夜に想うは同じ。


俺はお前が好きなんだ。頼りない月夜にはそう確かな想いを乗せて。お前の瞳から輝き落ちるその一滴の愛までも、決して零してしまわぬように、強く、強く抱き締めた。



END
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