雨振り
(6/7)
「ったく、お前の部屋はここだろうが!」
全身びしょ濡れの三蔵は声を荒げ、怒鳴りつけながらわたしをベッドに投げ飛ばす。
そしてわたしの目の前に立ち、またあの射抜く様な目でわたしを見る。それに耐えられずわたしは顔を背けた。
すると三蔵はわたしの顎を掴み、視線をしっかり交錯させてから言った。
「……嫌いじゃねぇよ」
そう言って濡れたままの三蔵は、そっとわたしを抱き締めた。
何で……?
いっつも居なくなるじゃない。雨が嫌いなのに、それでも出て行くじゃない。
「……三蔵……?」
三蔵の腕に力が籠もり、それからわたしの耳元で三蔵が言葉を紡いだ。
「……寝れなかったんだよ。どうにかしちまいそうで……」
三蔵の濡れた体温を感じながら、わたしの心音は大きく木霊した。
わたしが顔を上げると又してもあの射抜く様な目。でも今は痛みが無い。
「三蔵……」
「煩ぇ。一度しか言わねえ」
そう言って赤くなった顔を背け、三蔵は小さな声で、だけどはっきりとした声で言った。
「好きだ」
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