at all times

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久しぶりに辿り着いた街は、様々な露店が所狭しと並んでいて活気に溢れ、多くの商人が行き交っている。


「三蔵、すごく賑やかな街だね」


特別珍しい物がある訳ではないけれど、隣に三蔵が居るだけで彩られて見える景色。


「うぜぇだけだろうが」


ふーっと吐き出した煙を巻き上げ眉間に皺を寄せる三蔵だけど、その手はしっかりと私の手を握ってくれている。


「ぼさっとしてんな。さっさと歩け」


ほら今も。口ではそう言うけど、ちゃんと私の歩幅に合わせて歩いてくれてる。


三蔵の優しさは解りにくい。だから誤解してしまう事も多々あるけど、いつだって厳しいだけじゃない。


「ね、あそこのお店見てもいい?」


一応お伺いをたてるけど、返事は解りきってるから聞かないよ?


私は勝手に三蔵の手を引っ張って行く。


「てめェ……」

「あっ、これ可愛いっ!」


目に付いた髪飾りを手に取ってそう言って三蔵に振り向けば、結局付き合ってくれるんだよね。


「チッ…。欲しけりゃ買えばいいだろうが」


口の悪さほど意地悪じゃないし、本当はすごく優しいって知ってるんだ。
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