TRACK

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再び足を止めて向かい合う。寒さのせいかうっすらと頬が赤い。


そんななまえの頬にそっと触れ、それに誘われるままに唇を寄せた。


するとなまえは少しだけ目を見開いたが、それはゆっくりと微笑みに変わり、俺の腕にはなまえの腕が絡められた。


「ジェネシス、大好き」

「それならいい」


俺は精一杯の思いを込めてそう言ったというのに、なまえが笑いを堪えていたのが気に障った。


「何故笑う……」

「あー!ジェネシス、見て見てっ!」



なまえは俺の言葉を遮り後ろを指差す。子供の様に目を輝かせていたが、特別気になるものなんて無かった───はずだった。


「フッ……」

「ね、何かこういうの良くない?」



遠くから、俺達の足元に向かって続く二人の足跡。雪の上で寄り添って並ぶ俺達の足跡。それが真っ直ぐ俺達の足元まで続いていた。


なまえの顔を見ずとも、なまえがどんな顔をしているのか手に取る様に解る。眼を伏せても尚、鮮明に映る彼女は、微笑んだままいつまでも足跡を見つめていた。

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