愛の行方

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自分のアパートに着いたなまえは、明かりもつけずにベッドに倒れ込む。

しかし、窓から差し込む月明かりが鬱陶しくなり、なまえは窓辺に近付いた。そして明かりをカーテンで遮ろうとした時、なまえがカーテンを引くより先に何かが光を遮った。


「……ジェネシス……!」


そう呟いたなまえは、鍵を開け彼を招き入れる。


月を背にしている為、顔は見えなくてもそのシルエットは間違い無くジェネシスであった。


なまえは逆光というもどかしさに耐えきれず部屋に明かりをつけようとするも、ジェネシスは瞬時にそれを阻止する。そして明かりの届かない部屋の隅になまえを追いやり、静かに唇を重ねた。


小さな息遣い。その間を縫う様になまえは呟く。今まで堪えてた想いを瞳いっぱいに溜めたまま。


──嘘つき。


僅かに離れたなまえの唇から、そう言葉が零れ落ちた。


静寂の波にさらさらと滑り落ちるジェネシスの腕。暗闇に漂う香りは変わりなくても、今のジェネシスの身体は確実に蝕まれている。


「もう、後戻りは出来ないんだ」


まるで自分に言い聞かせているかの様に、ジェネシスはなまえに背を向ける。


そして小さく踵を鳴らしながら窓辺に歩み寄ったジェネシスは、ゆっくりとその身を月光に晒した。


「……ジェネ……シス」
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