愛の行方

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「な……に……」


なまえは小刻みに震えながらもジェネシスの側へ踏み出した。


人はこれほど短期間に変わるものなのだろうか。一目見て老化などの類では無い事が解ったが、それならば今目の前に居るジェネシスの身に何が起こっているのか……。


「止まらないんだ……」


ジェネシスの言葉に反応したなまえは彼を直視する。そしてそんな彼女にジェネシスは告げる。


「俺はモンスターだ」





──自分をモンスターと呼ぶ彼は、劣化に侵蝕されつつあった。


彼の出生から現在に至るまで、彼の口から語られる悲しくも抗えない真実に、なまえは言葉を失う。


「憐れに思うか?」


時折雲に遮られる月明かりの中に聞き慣れたジェネシスの声が響く。



「何も言わずに去って行き、こんな姿で帰って来た俺を、憐れに思うか?どうする事も出来ない劣化に脅え、それから逃れる為に神羅を裏切った俺を……、憐れに思うか?」


言葉の端々に怒りと悲しみを滲ませたジェネシスは、僅かに目を伏せたなまえの頬に手を伸ばした。


「すまない。それでも君を忘れられないんだ……」
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