Second floor
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トレーニングルームの前に来ると、前を歩いていたアンジールの足が急に止まる。
ジェネシスは不審に思い、トレーニングルームの中を窺ってみると、中では真っ白な白衣を着た宝条が腕組みしながら立っていた。
「ジェネシス……どうする?」
「……俺が行ってくる。アンジールはなまえを頼む」
二人のただならぬ空気に戸惑うなまえは、黙って二人を見上げている。
「なまえはここでアンジールと待っていろ」
「解った……」
ジェネシスはそう言ってトレーニングルームのドアを睨み付けながら歩き出す。間違い無くなまえを待っているであろう宝条の元へ、朱いコートを揺らしながら近づいて行った。
「ジェネシスか。ククッ、ならば彼女はすぐそこだな」
自信と自己陶酔の強い宝条の言葉にジェネシスの視線が鋭くなる。
「今からここは俺が使うことになっている。出て行ってもらおうか」
「彼女と話をしてからなら構わんよ」
「……彼女に何の用だ」
「君に答える必要は無い。しかし彼女になら喜んで答えよう」
「フン、話にならない」
引く様子を見せない宝条にジェネシスはそう言い放ち踵を返すと、そのままトレーニングルームを後にした。
閉まるドアを薄ら笑いを浮かべながら眺めていた宝条は、妖しく光る眼鏡をかけ直し小さく呟く。
「ククッ、では正当な手段を使わせてもらうよ」
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