Next door

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「今日は早めにトレーニングを切り上げて借金返済だ」


頭上からの低音に顔を向ける事なく頷くなまえは、どうやら機会を窺っている様だ。


「あ、あのセフィロス……」


しどろもどろに切り出したなまえは大きく息を吸い込み意を決する。


「この間は……、えっ」


勢いに任せ言ってしまおうとしたなまえの前に、セフィロスは素早く回り込むことで、なまえの言葉を制止する。

美しい銀髪を流し、真っ直ぐなまえを見つめるセフィロスは、なまえを見下ろしながら静かに呟く。


「聞きたく無いな」

「……えっ」


こんな状況は予測していなかったと、なまえの思考は一瞬で固まってしまい、トレーニングルームに着いた事さえ理解するのに時間がかかった。


「まだ何も言って無いのに……」

「フン。あらかた想像がつく。それよりトレーニングを始めるぞ」


踵を返し颯爽と歩き出すセフィロスの背中をなまえはキッと睨み付ける。


「待ってよ」


なまえはセフィロスに向かって走り寄り、彼の前を立ち塞ぐ。


「私、逃げないって決めたの。ゲームだからって、逃げないって決めたの」


確かな意志が感じられたからか、セフィロスは黙ったままなまえを見下ろしていた。


「だからちゃんと言わせて」

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