Think of you
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それ以上は聞かないでと俯き口を噤んだが、彼は私を問い質す。
「宝条博士も馬鹿ではない。前回と同じではお前が靡かないと解っていたはずだ」
徐々に窮地に立たされていくようで、一刻も早くこの場から逃げ出したかったが、セフィロスは閉口したままの私に向かって尚も続ける。
「お前だって宝条博士が簡単に元の世界へ帰してくれるとは思っていなかったはずだ。それなのに今更あれ程まで取り乱すとは理解し難い」
セフィロスはそこまで言うと大きく息を吐いた。そしてより一層鋭い視線を私に向けた。
「他に何を言われた?何を言われてあんな姿を俺に曝した?」
唇を噛み締めながら僅かに顔を上げてセフィロスを窺うと、不機嫌というよりも真っ直ぐに射抜くよう目で私を見ていて、それはもう下手に言い訳できる状況ではないと悟った。
「……ごめんなさい。これ以上は言えない……」
しかしそれでも今言える言葉はこれだけで、セフィロスにとっては到底納得のいく答えでは無い。
「……ではホランダー博士に会うのは諦めるんだな」
「……っ、セフィロス!」
私だって言えるものなら言ってしまいたい。だけど、まだ知らなくていい事を、できればずっと知らずにいて欲しい事を私が言える訳が無い。
「……散々醜態を曝しといて、こんなんでセフィロスが納得してくれるとは思ってない。だけどこれ以上は聞かないで……。ごめんなさい……」
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