Think of you
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「宝条博士相手じゃ自分優位に進められないじゃない……」
自分ひとりじゃどうにも出来ないって、なんて苦しいんだろう。今にも当事者であるセフィロスに、代わりになんとかしてよと言ってしまいそうになる。
「相手が誰であろうと、お前を実験体にはさせられない」
「そんな事……抱きしめながら言わないでよ……」
胸元に引き寄せられ、聞こえてくる彼の鼓動と伝わる温もりが、冷える事なく温かいままであって欲しい。そう思う事が間違いだなんて誰が言えるんだろうか。
私が来た時点で既に流れが変わってしまっているなら、この先も変えられるかもしれない。だったら、今ここで私が出来る事を。
「セフィロス、私、やっぱり行くよ」
はっきりと彼にそう伝え、彼の射抜くような瞳を見上げる。相変わらず眉間には皺が寄っていたが、その瞳は次第に伏せられていく。
「……ならば一つだけ約束しろ」
もう一度、きつく抱き締められた腕の中、彼の声が私の耳元で告げる。
「無理はするな」
セフィロスは私の顔を胸に引き寄せてそう呟き、私が頷いたのを確認すると、ゆっくりと両腕を解いていった。
それからホランダー博士に会うべく、盗聴されているであろう私の携帯からでは無く、セフィロスの携帯から内密に連絡を取ってもらうと、ホランダー博士は今すぐに来てくれと言う。
「どうする?」
「それなら今すぐに行きたい!」
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