Twice

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「そう言えば……、初めてじゃないのか?」



エレベーターの中、ジェネシスは不意に問い掛ける。



「神羅ビルから出るのは初めてだろう?」

「あ……そうかも!」



いつの間にかこの世界に居てサンプルとして扱われ、ジェネシス達に助けて貰ってからはトレーニングの日々で、確かにビルの外へ出た事が無い。


そう考えれば街中を見てみたいという衝動に駆られ、私はジェネシスをそーっと見上げた。



「あの……ジェネシス……」



街を見たいと言える雰囲気か窺うため、そう呼び掛けてみたら、ジェネシスは軽く振り返り小さく笑う。



「安心しろ。お楽しみはモンスター退治の後だ」

「やったぁ!ありがとう、ジェネシス」




──そんな気力が残っていたらな。


ジェネシスの了承に浮かれた私は、その後に彼がそう呟き笑っていた事は知る由も無い……。





ミッドガルからカームの街へ続く道に車を停め、舗装された道路から徒歩で遠ざかる事三十分。


「ジェネシス……まだ歩くの?」


スニーカーだとは言え、徐々に大きな石が転がり、道と呼べるか定かではない道を歩いていたなまえは、既に両足が笑っている。


「丁度良かったな。歩くのは終わりだ」


ジェネシスのその言葉になまえは安堵するも、ジェネシスはククッと笑いを漏らし指を差す。



「そこの洞窟にモンスターがいる。行ってくるといい」


「行ってくると……って私一人で?」


「ちゃんと見張ってるから心配するな」



そう言ってジェネシスは、瞳でプレッシャーをかけながらなまえを洞窟に放り込んだ。



「無理っ!ほんと無理っ!暗いし怖いっ!ジェネシスお願い助けてってばっ!」



涙目になりながら叫ぶなまえに、ジェネシスは静かに忠告する。



「騒いでいるとすぐ標的にされるぞ」



しかし時すでに遅し。なまえの声を聞き、警戒心を剥き出しにして現れた数匹のモンスターが、喉を鳴らしながらなまえを取り囲んでいた。



そして洞窟内には轟音が響き渡る……。

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