Despair

(8/9)
「ジェネシス、ありがとね」


どうすればいいかは解らないけど、目指す所が明確になった。今の私にはそれはとても重大な事。露ほどの光でも、私に希望をもたらした。



「なまえは表情がよく変わるな」



その瞬間、整った唇が僅かに動き、そしてそれはゆっくりと近付き、私の唇を塞いでいく。



「……んっ!!」



ジェネシスは私の頭と腰をグッと引き寄せ、深く深く、舌先が口内を這い拒む事すら忘れてしまう様な濃密な口付け。



僅かな空気を求めて唇は離れるが、それを名残惜しいとばかりにジェネシスは唇を一舐めした。



「ちょ、急に何すんのっ!」

「嫌だった?」



そう言ったジェネシスは、とても意地悪で妖艶な目で私を見下ろす。


「そーじゃないでしょ!質問に答えなさーいっ!」

「フフッ、やっぱり面白いな」



駄目だこいつ……。きっとジェネシスの前ではジェネシス理論しか通じないんだ。


「もういい……。帰ります」



そう言って席を立った瞬間、ジェネシスに腕を掴まれソファーに押し付けられた。


「あの部屋で寝るつもり?」

「はいっ!勿論ですっ!」


けれど再度近付くジェネシスの唇に、私の心臓が悲鳴をあげる。


マジでこのフェロモンで死んでしまうっ!


そう思った瞬間。



ドォォーンッ!


という轟音と共にテーブルが吹っ飛び、テーブルに乗っていたグラスも粉々に砕け散った。



……やべっ。またやっちまった……。

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