攻防戦の果て

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「じゃ説明するからそこに座って」


家の中に入ると何とも間延びした声が聞こえ、本当に大丈夫か?と疑いたくなったが、それでも訓練は始まってしまったんだと諦めてこの男の話に耳を傾けた。



「訓練内容は実技のみ。期間はこの俺が良しとするまで。撫子さんに頼まれたからには手抜きはしなーいヨ」


……どうやら説明はこれだけで、特上になった私が訓練を受けなければならない理由は教えてくれないらしい。


「ようは黙って従えって事なんですね……」


私の問い掛けに笑顔で答えるこの上忍男。一体どんな事をするつもりなのか。


「ま、今日は初日だし、とりあえず君の事を教えてもらおうかな」


「……なっ!?」


今まで正面に座っていたこの男は一瞬で私の背後に回った。仮にも私は特別上忍だというのに、全く目では追えない程のスピードで。



そして耳元に唇を近付け、さっきまでとは別人のような低音を響かせる。


「まずは服を脱ぎなさい」



今まで色んな人の相手をしてきた私だけど、この時だけはゾクリとした。なんだかそれが悔しくて、わざと平気なフリをして服を脱いでやった。


下着姿で恥ずかしがってたら色任務なんて出来ませんから。


「素直でよろしい」


「なんなら下着も脱ぎましょうか?」


半ば反射的にそう返した私をこの人は笑った。そして今度はひどく艶のある声で、甘く囁く。


「それは夜にとっておくヨ」




……私の今までの知識と経験が不安になった瞬間。
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