攻防戦の果て
(7/8)
キスと一言で言えば簡単で甘美な響きだが、ここには壮絶な男と女の戦いがあり、特に色任務に於いては重要なポイントになる。
付かず離れず、誘い拒み、相手に合わせてその微妙なバランスを間違えてはいけないのだ。
「……流石撫子さんに見込まれてるだけあるネ。キスは合格」
長い攻防を終え唇が離れた後、カカシは満足そうに笑う。
「一応、今日から色専の特上なんですけど」
眉間に皺を寄せ、顔いっぱいに不機嫌を露わにするなまえを見てカカシは笑い声を上げた。
「あはは。でもそれだけじゃー撫子さんみたいにはなれないんだよネ」
のほほんとしてたと思えばすぐに鋭い眼光を携えるカカシに、なまえの体は一瞬だけ強張った。
「……どういう意味ですか?」
「Aランク以上の色任務の達成率を考えてみな。そしてその帰還率もネ」
そこでなまえはハッとする。そしてそれと同時にこの訓練の意味を理解した。
「実技って、そういう事だったんですね」
この訓練はお偉い様のお相手といった一般的な色任務を前提としている訳では無く、相手が相当な手練れを雇っているターゲット、またはターゲット自身が相当な手練れである場合の任務を前提としているのだ。
「そう。今日からの訓練は、ターゲット及び周囲に忍だと悟られない為の更に高度な訓練と……」
「訓練……と?」
なまえが続きを促すと、カカシの纏う空気が変わり、それにつられてなまえは息をのんだ。
「最悪な状況からの帰還方法だ」
.
- 7 -←|→
List|Top|Main>>
Index