あの夜の続き

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幻術かと、カカシは咄嗟に幻術返しをしてみるも効果はない。カカシはベッドとドア付近を交互に見回し呟いた。


「……なまえ……?」

『わーお、やっぱりカカシは気付いてくれたんだぁ!』


カカシの蟀谷が引きつる程あっけらかんと、目の前ではなまえが笑っていた……。


「お前……何やってんの?」

『だから呪いに来たって言ってんでしょ?』

「……死んでないよネ?」



弱々しくカカシがそう尋ねた。するとなまえはベッドで寝ている自分に目を向けながら、普段はあまり見せない優しい笑顔を浮かべる。そしてカカシの頬に手を差し伸ばして悲しい目をした。



『心残りだらけで死ねないよ』



頬を通り抜けるなまえの手に、カカシは口布の下で唇を噛み締める。


「……じゃあ早く戻って来なヨ」

『そうしたいのは山々なんだけど、私、自分の体に入れないんだよね』


なまえは自分の体に近付き手を触れると、カカシを通り抜けたようにはいかず、通り抜けるどころか何かに弾き返されるように手を突き返された。


『……ね?私、自分に拒否られてんの』


わざと明るく振る舞うなまえにカカシはただ胸を締め付けられた。


『やっぱり心残りのせいだよね〜』


「……ねぇ、その心残りって……何なの?」


カカシは毎朝のやり取りを思い出しながらそう尋ねると、なまえからは予想外も甚だしい答えが返ってきた。



『カカシの幸せに決まってるじゃない。それを見届けないと死にきれないよ』
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