Way Out

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私はこの男をどうしたかったんだろう。


無防備に寝息をたてて眠るこの男の首に、何度手をかけても一向に力が入らない。
今まで培ってきた、色くノ一としての全てをもってしても、私はこの男に何にも出来ないのか。


物凄いスピードで混ざり合う感情は、葛藤となって涙を落とす。首に掛けた手に一滴。


私は堪えきれず、首に掛けた手で顔を覆った。


けれど、そんな私を抱き締めるこの男は、なんて非道い男なんだろう。



「……早く殺りなヨ」

「出来ないのよ……」


善悪で言うのなら、この人は間違いなく"悪"じゃない。


それなのに、知っていても尚抱き締めるこの人は、本当に……非道い男。



「カカ……シ……」



偽りの日々の中、いつから名前を呼ぶ様になったんだろう。

いつからこの腕の中が心地良くなったんだろう。


「何であの夜、一瞬だけ立ち止まったのよ……」


知らずにいれば、憎しみをこの人に向けずに済んだのに……。



震える声で、カカシの胸にしがみついた。




「俺にも解らないんだヨ……」
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