Way Out
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けれどもあの夜の事はよく覚えてる。なにしろ暗部としての最後の任務だったから。
──あの男は、以前から監視対象だった。
俺がなまえにそう告げると、やはりなまえも薄々気付いていたのか、顔を歪ませながら目を背けた。
「だからなまえの事は前から知ってたんだ」
彼を監視する傍ら、あの男の隣で笑うなまえをずっとずっと見てきた。暗殺を命じられたあの夜まで。
少なからずも戸惑い、躊躇したが、拒否権は無いんだと言い聞かせて斬りつけ、彼の命となまえの笑顔を一瞬で奪った。
捨てたはずの感情に足を取られたのか、俺の足は一瞬だけ動かなくなったんだ。
今まで見てきた君の笑顔は、それ程までに重かったから。
「……何のつもり?同情?償い?私が殺したい程憎んでたの知ってたんでしょ?何で……何で平気な顔してんのよっ!」
なまえは涙を拭いもせずに思いを吐き出す。ずっと溜めていた思いを涙に変えて。
「私……、私……」
小さく小さく崩れていくなまえを抱き締めて、この偽りの関係の中に芽生えたその涙を信じたいんだヨ。
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