Destination

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刻一刻と今日の終わりが近付いてくる。


「手紙、見つからないね……」


もう陽も落ち辺りは暗い。そんな中でもわたしに付き合って一緒に手紙を探してくれているサクラ。


「……サクラ、ありがとう。でもさ、今日は、もういいよ」


ぎこちない笑顔でそう告げると、サクラは急に鋭い視線を携えた。


「何言ってるのよ!今日の為にずっと頑張ってきたんでしょ!いつか先生に追いついて、隣に並んでも恥ずかしくない様な上忍になったら……って、そう言ってたじゃない」

「うん……」


そう呟いたわたしにサクラは軽く微笑み、


「普段は男勝りなのに、その時のなまえはすっごく可愛かったから応援したくなったのよ」


と付け加えて舌を出した。


一段と冷えた風はサクラの言葉で温かさを含んだのか、わたしの心を優しく撫でた。



「ありがとう、サクラ」

「いーのよ」



しゃーんなろーっ!!
サクラの言葉を借りて、もう少し探してみますか。

誰かに拾われてたら生きていけないし。



けれど寒風吹きすさぶこの日に、一通の手紙を探すのは困難で、頼りない月明かりに捜索意欲が削ぎ落とされる。


家に帰ってまた書くしかない……か。


サクラにそう告げようとした矢先、わたしの目の前で夜風が舞い上がった。



「こーんな時間まで二人で何してんの?」



突然現れた先生を見て固まるわたしにサクラは耳打ちをする。



「手紙は見つからなかったけど、これってチャンスよ!頑張って!」

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