愛しているから

(2/6)
一日、二日と過ぎても何ら変わりはなかったのに、一週間を過ぎたあたりから感じるようになった小さな違和感。


二週間、三週間と経った頃には、部屋の隅々に残されたなまえの影を探す様になっていた。



いつもピシッと整えられたシーツやピカピカのキッチンも、今や見る影も無い。洗いたての服の匂いも、俺が洗濯すると何か違う。


俺の部屋から、なまえの影が失われていく。


一緒に居る事に慣れすぎて、すれ違う事に慣れすぎても、いざなまえが居なくなってみればこんなにも寂しく、こんなにも恋しくなる。



そして、1ヶ月、2ヶ月と経った頃には独りで眠るのが嫌になった。


思い違いもいいとこだヨ。


自然過ぎて当たり前に思っていた。だからなまえが居なくなった今が不自然に思うんだ。


毎日大きな溜め息を吐き出して重い腰を上げ、上の空で任務をこなし、明かりのついていない部屋に向かう俺は宙ぶらりん。


気付けばもう3ヶ月。
俺、困るヨ……。



そう思いながらドアに手をかけて軽く開けた瞬間、俺の鼓動が木霊した。


恐る恐る電気をつければ、テーブルの上にはおにぎりが並べられ、ベッドは綺麗に整えられ、洗いたての洗濯物からはいつもの匂いがする。


そして、ソファーに凭れたまま眠っているのは。



「なまえ……」

「ん……カカ、シ?」



瞼を擦り俺を見上げるなまえを抱き締めずにはいられなかった。
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