Rainy Day
(2/6)
それから暫く毛布を被っていると、漸く眠気に襲われたが時すでに遅し。
出てきた溜め息に手伝われながら、待機所に行く準備に取り掛かった。
顔を洗っている時も、着替えている時も、あの耳を劈かれるような雨音は健在で、そんな日に限って危険な任務へ向かう彼女への不安は顕在しているかのよう。
代わってやれるものなら代わってやりたい。忍としてでは無く、ただの男としてそう言った事もあったが、その時の彼女は苦笑してこう言った。
──カカシはもう十分でしょ?
彼女の底無しの強さと優しさは、時として自分の未熟さを訴えては俺の胸を締め付ける。
どんなに誇りを持ってしても、裏の汚い部分を一手に任され続けるうちに、膨れ上がれる罪悪感。
それを捨てなければ優秀な忍とは決して言えず、そんな現実に苦しみながらも、それを獣面で隠して与えられた任務を完璧に遂行していく。
遅かれ早かれ、これも里の為だと考え至っても、その獣面の裏にまで滲んだ涙が乾かないうちは果てしなく苦しいんだ。
玄関を開け、未だ降り続く雨に君を思う。今日もあの獣面を被って泣いている君を思う。
暗部である自分を誇りに思いながらも、未だ情を捨てきれていないにもかかわらず、自暴自棄にもならない君の底無しの強さと優しさ。
君のいない雨の日には、そんな君の無事を願う。
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