満ちる心
(3/5)
初めてなまえに出会ったのは上忍の歓迎会。数人の新人上忍の中で一際注目の的だったなまえ。
その整い過ぎた顔立ちと、誰に対しても向けられる笑顔。
酒も入り、酔いも回った頃には、周りの男達はこぞってなまえに質問を浴びせる。
「なまえちゃんは彼氏いるの?」
誰かが口にした。
するとなまえは
「彼氏はいません。面倒そうなんで。」
とにっこり笑って言うもんだから、男共は我先にとなまえにアピールしまくる始末。俺は見かねてなまえを外に連れ出した。
みんなの視線は痛かったけど、俺もなまえに興味があったしネ。
俺は近くの川辺にある椅子に座り、なまえを隣に座る様に合図した。
近くでみると一層綺麗ななまえ。大きな目に鼻筋の通った控え目な鼻。そしてぷっくりとしたピンク色の唇。
俺は感じていた。
なまえは俺と同じなんじゃないかと。
「彼氏作るの面倒だって言ってたけど、男嫌いなの?」
「男嫌いではないですよ?ただ、付き合う、となるとちょっと……って感じですね」
「……じゃ割り切った関係ならいいの?」
なまえは俺を見上げ真っ直ぐ視線を向けてくる。そしてその形のいいピンク色の唇で俺に言う。
「そういう事なら大歓迎ですよ?はたけ上忍」
そう、これが間違いだった。
あれから何度もなまえと体を重ねたが、それは本当に割り切った関係そのもの。
他の女との違いに驚き、驚きが戸惑いに変わり、それが俺の中でだけ、徐々に割り切った関係ではなくなっていく。
なまえも俺も相手は他にも居る。
でも俺は、他の女になまえを重ねて抱く様になった。
末期だネ、俺。
今まで散々他の女にしてき事なのに、なまえに同じ事をされ、初めてその気持ちが解り、胸が痛む。
俺はなまえとこのままの関係を続けていく事はもう無理だった。
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