満ちる心

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初めてなまえに出会ったのは上忍の歓迎会。数人の新人上忍の中で一際注目の的だったなまえ。

その整い過ぎた顔立ちと、誰に対しても向けられる笑顔。


酒も入り、酔いも回った頃には、周りの男達はこぞってなまえに質問を浴びせる。


「なまえちゃんは彼氏いるの?」


誰かが口にした。
するとなまえは


「彼氏はいません。面倒そうなんで。」


とにっこり笑って言うもんだから、男共は我先にとなまえにアピールしまくる始末。俺は見かねてなまえを外に連れ出した。


みんなの視線は痛かったけど、俺もなまえに興味があったしネ。


俺は近くの川辺にある椅子に座り、なまえを隣に座る様に合図した。


近くでみると一層綺麗ななまえ。大きな目に鼻筋の通った控え目な鼻。そしてぷっくりとしたピンク色の唇。


俺は感じていた。
なまえは俺と同じなんじゃないかと。


「彼氏作るの面倒だって言ってたけど、男嫌いなの?」

「男嫌いではないですよ?ただ、付き合う、となるとちょっと……って感じですね」

「……じゃ割り切った関係ならいいの?」


なまえは俺を見上げ真っ直ぐ視線を向けてくる。そしてその形のいいピンク色の唇で俺に言う。


「そういう事なら大歓迎ですよ?はたけ上忍」


そう、これが間違いだった。


あれから何度もなまえと体を重ねたが、それは本当に割り切った関係そのもの。


他の女との違いに驚き、驚きが戸惑いに変わり、それが俺の中でだけ、徐々に割り切った関係ではなくなっていく。


なまえも俺も相手は他にも居る。

でも俺は、他の女になまえを重ねて抱く様になった。


末期だネ、俺。


今まで散々他の女にしてき事なのに、なまえに同じ事をされ、初めてその気持ちが解り、胸が痛む。




俺はなまえとこのままの関係を続けていく事はもう無理だった。

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