満ちる心

(4/5)

それから俺はなまえとの関係を終わりにしようと決めた。なまえが望んだ、割り切った関係というルールを破ったのは俺だからネ。


そう心に決めて、俺はなまえの家へ向かったが足取りは重い。


それでも玄関までくると、部屋の中になまえともう一人、男の気配があることに気付いた。


俺はなまえに嫉妬できる立場じゃないと、必死に込み上げる怒りを抑える。


「ふざけるなっ!散々気ぃ持たせといて今のは何だっ!」


なまえの部屋から嫌でも聞こえてくる怒りを露わにした男の声。


「挙げ句の果てに終わりにしたいだと?いい加減にしろっ!今日は帰る!」


俺は男に気付かれない様に隠れ、男が見えなくなったのを確認してなまえの部屋をノックした。


「なまえ、俺だヨ」


ゆっくりとドアが開く。そこから覗くなまえの目は赤く、涙の跡が残っていた。


「カカシなら聞こえたでしょ?……今は一人にして」


なまえも新人とは言え上忍だ。俺の気配に気付いていてもおかしくない。


しかし、ドアを閉めようとするなまえの頬に、涙の跡とは別の跡がついていたのが見え、俺は正気を保てるか不安になった。


ドアに足をかけ、強引に部屋に上がり込む。俺の行動に驚いたままのなまえに構わず、なまえの顔をグイッと引き上げる。


……やっぱり。


「なまえを殴ったのはさっきの奴?」


なまえはカカシが見たこともない程冷たい目をしていた為、自然と震えが襲ってくる。


それも束の間、もの凄い殺気を携え、ドアの方に向き返ったカカシ。

その事に気付いたなまえはカカシの腕を掴むだけで精一杯だった。


「カカシっ!ちょ、ちょっと待って!」


なまえもカカシの殺気で声が上擦る。


「殴られたのにあんな奴を庇うの?」


カカシからは消えない怒りの色。ただカカシの腕を掴むしか出来ないなまえは必死だった。それ程にカカシが怖かった。


「違うの、聞いて!あたしのせいなのっ!」

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